吉原彼岸花 久遠の契り 感想1(朔夜)
はじめに
時代小説の吉原ものって結構好きなんですよね。「吉原手引草 (幻冬舎文庫)」とか。
ですので、なんか評判もいいようですし、「吉原彼岸花 久遠の契り」をプレイしてみることにしたのでした。
ちなみにNintendo Switch版です。
プレイ順は
朔夜→大月忍→神楽屋彰人→桜花屋時雨→伊勢屋惣一郎(バッドエンド)→辰吉→伊勢屋惣一郎(ハッピーエンド)→桜花屋時雨(真相)
です。
個人的には、朔夜と大月さんを逆にした方が物語に入り込みやすかったかなあと思います。
そんな感じで感想です。
声優さんの氏名は敬称略です。
ストーリー概要
吉原の大見世「桜花屋」の最上位の花魁である主人公・千早(本名は凛)は、故郷である駿府に帰れる日を夢見て夜毎仕事に励む日々を送っていた。
しかし、あるとき巻き込まれたいざこざを、若き大店の主・伊勢屋惣一郎に救われて後、凛の心は揺れ動き始める。
みたいな話。(間違ってはいないはず)
個別キャラ感想
朔夜(cv.水島大宙)
世間知らずの超天才髪結い。
別に作中では天才とまでは言われていませんでしたけど、弱冠十代で、そしてこの世間知らずっぷりで、床屋株を買えるぐらいに儲けられるんだから、少なくとも天才に相違ないでございましょうねえ。
床屋株がいくらするのかはよく分からないですが、作中の言い方ですと、非常に高額らしいですし。
吉原の大見世が舞台で、主人公が超一流の花魁であり、仕事に誇りを持っている、という前提でプレイすると、ちょっと色々とツラいルートでした……
天然丸出しで凜さんに思いをぶつける朔夜とか、そんな朔夜に対して毅然とした態度を取れない凜さんとか。
読んだらとっとと処分すればいいものを、朔夜からの恋文を普通に隠しておく凜さんとか。
そもそも最高位の花魁の気っ風や意気地が感じられない凜さんとか。
挙げ句足抜けしちゃったりする凜さんとか。
仕事への誇りどこー?
今後、花魁らしい千早花魁を見られるルートはあるのでしょうか……客ルートに期待かな……
ストーリーは、ショートエピソードの詰め合わせのように感じました。
内容としては、大見世の花魁としてどうなんですかねえ? というエピソードが多くてなんだかなあ。
客の相手を回避するために用意した薬入りの酒をこっそり処分するくだりとか、朔夜の元兄弟子からの脅迫への対応の仕方とか、最高位にまで上り詰めた花魁にしては、機転が利かなすぎじゃないでしょうか。
忘八の時雨さんにしても、足抜けした遊女をなぜかわざわざ自分で探しに行ったり、ハッピーエンドでは足抜けを見逃してくれちゃったりしますし。
凜さんが変装のために断髪したから、遊女として使い物にならない、という口実は言っていましたが、そんなもんかもじでもつけとけば良いじゃない?
あと、正規バッドエンド(?)では、朔夜を失ったために精神を病み、使い物にならなくなった凜さんをどこぞへ売り払ったり放り出したりせず、寮で療養させてくれるし、忘八としてはちょっと行動がよく分からなかったです。
恋愛面では、惹かれ合う過程は分かりやすいと思いました。
ただし、これが恋愛御法度の花魁と髪結いじゃなければですけど。
君ら少しは立場考えろよと。自制きかなすぎじゃないのかと。
しかも、「障害が多いほど燃え上がる恋」を地でいってる感じですしねえ。
好意的に解釈すれば、このルートのテーマが「恋を知らなかったから花魁として強くあれた」ってことなのかな……
あと、猫は殺さないで欲しかった。
……えーと、良かったところは、スチルとかでしょうか。いい感じにおいろけでした。