kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

幻奏喫茶アンシャンテ 感想1(カヌス・エスパーダ)

はじめに

 

なんか雰囲気が良さそうだなーという軽い気持ちでプレイすることにいたしました。

が、これ、本気で取り組むべきゲームでした。

通常版じゃなくて限定版を買うべきだった……失敗した……

 

「殺し屋とストロベリー」から連続で喫茶店ネタのゲームなのは、プレイし始めてから気がつきました。

 

プレイ順は公式推奨攻略順の通り、
カヌス・エスパーダ→イグニス・カリブンクルス→凛堂香→イル・ファド・デ・リエ→ミシェル・アレックス
です。

 

そんな感じで感想です。
声優さんの氏名は敬称略です。

 

www.otomate.jp

 

ストーリー概要

ひょんなことから、亡くなった祖父の残した喫茶店継いだ主人公が、初めての喫茶店経営に奮闘しつつ、異世界の興亡にも奮闘する話。

 

個別キャラ感想

カヌス・エスパーダ(cv.梅原裕一郎

幻奏喫茶アンシャンテ(カヌス・エスパーダ)

デュラハン(首なし騎士)。種族的には妖精であり、妖精界メディオ出身。

故郷では「死を告げる妖精」として恐れられているが、優しく誠実な生活で、植物の世話が得意。

 

 

イケメン人外達とキャッキャウフフするほのぼの喫茶店ゲーかと思ったら、第二章からいきなり異世界探訪記になっていてびっくりした。 

そして、少なくともカヌスルートでは、最後まで異世界探訪記でした。

 

共通ルートが長めで、個別ルートは比較的短めでした。

共通ルートで解決した事件の積み残しを、各個別ルートで解決する感じなんですかね。

 

カヌスルートの印象は、「(誰かを)助けるのに理由がいるか?」

いや、本来は「首なし騎士の首について」とか、「犠牲を恐れず立ち向かう愛と蛮勇」みたいな話ではあるんですが、つい別のゲーム(ファイナルファンタジーIX)と上記台詞がオーバーラップしてしまい……

 

ストーリー的には、展開のキモである「世界樹≠世界」であることが途中まで理解できなくて、しばらく「なんで?」と思いながらキャラクター達の苦悩を眺めてしまいました。

妖精界メディオでは、なぜ世界樹が自ら生み出した生命体を喰らって世界樹の巨体を維持するという非効率なことをしているんだろう?

と思っていたのですが、上記の通り世界樹≠世界なので、世界樹が喰らっている生命は世界樹が生み出したものではないらしいです。

色んなファンタジー作品の「世界樹」設定の先入観があるので、妖精界メディオの世界樹は、全く世界に恩恵をもたらさないというのは、かなり意表を突かれる設定でした。

 

もう1つの苦悩ネタである死を告げる妖精の件について。

カヌスは死を告げる妖精として、人口調整するのがお仕事です。つまり、妖精が増えすぎて世界を圧迫しないように殺して回るということだとか。

先代の死を告げる妖精が引き起こしてしまった、世界樹による妖精大量消費の当事者である妖精達が、後継であるカヌスを忌避するのはともかく、琴音ちゃんがそこまでショックを受ける理由が、正直よく分からなかったです。

まあ、カヌス本人も「罪もない妖精を殺すなんて……」みたいな感じで気にしているのですが。

でも、死の概念のない妖精の人口調整は行わないといけないこと(らしい)ですし、要するに寿命の肩代わりみたいなものですよね? 罪の有無と寿命は関係ないような……

 

ハッピーエンドで、カヌスが死を告げる妖精の廃業宣言してましたけど、人口調整はもう必要ないの? 世界樹を滅ぼした影響で寿命の概念が出来たとでもいうの??

世界樹が妖精を喰らうのと、死を告げる妖精が妖精を殺すのは、全く関連性のない話だと理解していたんですが。

私が読み落としてるのかも知れませんが、謎です。

 

カヌスと琴音ちゃんの親交が深まる過程よりも、世界樹にとらわれた妖精女王ティターニアの弟(っていうか)であるヴェンニーアが少しずつ心を開いたり、それにもかかわらず自らの目的のために苛烈かつ非情な行動に出ることの方が面白かったです。

上の方で書いたとおり、結構しばらく世界樹と世界は同義だと思い込んでいたので、世界樹を滅ぼそうとするヴェンニーアに対して、「世界(世界樹)滅ぼしたら、君の大事な姉も死ぬんでは?」と思っておりました。

が、事情を理解してからは、ヴェンニーア、実に不器用な子だなーと不憫に思いました。

琴音ちゃんを人質(?)にしたのも、考えに考えての行動だったのでしょうね。あと、贔屓目かも知れませんが、ヴェンニーアは「姉さんのため」と繰り返していましたけども、今後、ティターニアとカヌスみたいな世界樹の被害者が出ることのないようにという思いもあったのだろうと思います。

 

カヌスルートの第一章で、「人間である琴音ちゃんにはカヌスの顔は(存在はしているけど)見えない」というエピソードがありました。

その上で、ハッピーエンドで、琴音ちゃんが世界樹に取り込まれかけた影響で、一時的に妖精に近くなっている→カヌスの顔を見ることが出来た、というエピソードが大変良かったです。

何よりも、「顔が見られた」ことを一切言葉で説明せず、スチルでもカヌスの首から下+琴音ちゃんの笑顔 だけで表現したのが大変秀逸だったと思います。

 

恋愛面では、喫茶店アンシャンテのマスターとお客さんとして、仲間として、友人としての深愛から、恋愛に発展するまでがちょっと良く分からなかったです……

「笑顔をずっと見ていたい」事件とか、「カヌスのお仕事について聞いたら突き放された」事件を通して、気持ちが変化した、ということなのでしょうかね……

 

カヌスはとても魅力的なキャラクターだと思いますが、ちょっと普通すぎるかなーという気もいたします。

まあ、首なしという1点が攻めすぎているので、それ以外のキャラ造形はオーソドックスなイケメン紳士にしたということなのでしょうか。

 

なんか、「喫茶店は副業」の「殺し屋とストロベリー」の面々の方がちゃんと喫茶店していたような気がする……

が、祖父の残した喫茶店を継ぐ、と簡単に言っても、資格取得やら届出やら開店準備に数ヶ月かかりますよ、とか、アンシャンテに張り巡らされた結界に阻まれて普通の人間は来店しない仕組みって、経営どうなってるんですか、みたいな実務上のことがちゃんと説明されていたのが良かったです。

 

妖精は自然発生するので、繁殖活動はしない、とのことでしたけど、だとしたら、先祖返りの狩也君のひいおばあちゃん(妖精)は、どうやって子供産んだんですかね?

 


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