kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

幻奏喫茶アンシャンテ 感想4(イル・ファド・デ・リエ)

個別キャラ感想

感想3からの続きです。

イル・ファド・デ・リエ(cv.石川界人

幻奏喫茶アンシャンテ(イル・ファド・デ・リエ)

乙女ゲームをこよなく愛する堕天使。天界カエルム出身。

引きこもりで皆に甘やかされているため、世間知らず。生活能力が絶望的に低い。

 

共通ルートをプレイしているときから、イルは何だかAIっぽいなとは思っていました。

行間を読めない感じとか、海魔の件で落ち込んだ琴音ちゃんを励まそうの会のときとか。

とはいえ、イルがその名前も含めて、ある乙女ゲーの攻略対象の人格を全トレースして動いていた というのはさすがに想像の外であった。

さすがにもうちょっと学習が進んでいて、「自分自身の人格」を手に入れている段階だとばかり。

 

ストーリー的には、イルの異常性=生活力があまりにも皆無とか、言われたことを一般化できないとか が、琴音ちゃんのお手伝いをする中で浮き彫りにされる……というのが導入なわけですが。

御門の助手さんが、「それはイルにとって、そもそも想定された機能でないということなのでは」みたいな感じで、人形をたとえに出して説明するくだりがあります。登場人物の皆さんはイルを人形扱いされたことに怒りをあらわにしておりましたが、私は正直さもありなんと思ってしまいました。

イルのことをAIっぽいなと思っていたこともありますし、そうでなかったとしても、天使というのはそういう役割分担が明確な種族なのかもな、と。蜂とかアリとかハダカデバネズミみたいな。

結局のところ、天使という種族自体はそこまで真社会性生物的なわけではなく、イル自身の特殊性によるものだったようですけれども。

 

イルが本来的に感情を持たない生き物であり、現在は乙女ゲームのキャラを模倣している件をばらしたのは、御門の助手さんことソリトゥスですが(琴音ちゃんもそれより前から違和感を持っていましたが)、ソリトゥス、模倣元である「イル・ファド・デ・リエ」が出てくるゲームをプレイしたのか?

というか、数ある乙女ゲームの膨大な攻略キャラの中で、よく模倣元のキャラを見つけることが出来ましたよね……高い判断能力を持っているという神託の使徒の面目躍如ということでしょうか。

それとも、「イル・ファド・デ・リエ」をグーグル検索でもしたのかな。

 

琴音ちゃんも、イルの言動が、例の攻略キャラと重なることに戸惑いと恐れを抱き、イルに向かって「あなたは誰なの」とか言っちゃうわけですけども、そこ、そんなに拒絶ポイントになるかなあ? 人間だって何事も模倣から始まるわけだしなあ。

と、そこはちょっと疑問でした。

 

イルが琴音ちゃんに自分の正体を知られたことで苦しみ、「こんなに苦しいものが感情だというのなら、感情を放棄する」という極端な方向に行ってしまったのは、今まで常連の皆さんなどから過保護にされ甘やかされてきたツケなのでしょうね。

というか、模倣元の「イル・ファド・デ・リエ」は、シナリオ内で苦しんだり悩んだりしなかったのだろうか。

 

イルの感情を取り戻すために天界に行った一行を、現地で助けてくれた堕天使のエピロギさん。

翼の枚数とか翼に付いてる飾りとか見ると、元は高位の天使のように見えるんですけど考えすぎでしょうか。

使徒でさえ1対2枚羽(多分)の天使がいるというのに、エピロギさんは3対6枚羽ですよね?(多分)

翼の枚数は天使としての位階には関係ないのかな……

 

で、何やかんやあってイルは感情を取り戻す、というか元々持っていなかったので、新たに獲得するわけですが、その過程でミシェルの魔王っぽいところが見られて大変良かったです。

 

AIは天使じゃなくて神の方でしたね……

妖精界メディオも獣界ベスティアも天界カエルムも、遠い過去に人間がやって来たせいで悶着が起こっておりますけど、これきっと伏線なんでしょうね。

神を造った人間は人間界からやって来たのか、それとも違う世界からやって来たのか?

 

恋愛面では、琴音ちゃんの方では、シーツ干しの際のイルの笑顔が決定打だったんだろうなあ。

感情と人格を本当に身に付けたイルが、「凛堂は狼だと皆が言っているのを聞いて、以前は、凛堂は魔獣なのかと思っていましたけど、今の私にはその危険さが分かります!」みたいなことを力説したシーンは笑いをこらえることが出来なかった……

 

あと、別に恋愛関係ありませんが、「断罪プログラム」の効力を知ったイルが、皆に心配させまいと嘘をつくくだりは、非常にイルの成長を感じられて、大変良いエピソードだったと思います。

 

みんなで神を破壊するための策を考えているくだり、なんかうまいことミシェルを現場から遠ざけたなーと思いました。

ミシェルの力をイルが出力調整・照準して、超長距離狙撃とかは出来なかったんでしょうかね?

 

ソリトゥスが最終的に堕天したのはイルに負けた後でしたが、どう見てもそれよりも前に感情垂れ流していたと思うんですけども。堕天の基準はどうなっているのか……

 

ハッピーエンドとバッドエンドの違いって、要するにソリトゥスがイルの体を治療するかしないかの差なんですよね。

琴音ちゃんがイルの好感度を上げる→イルの人格レベルが向上→イルの説教力が向上→説教されたソリトゥス、自分の判断でイルの支持を無視できるようになる

みたいな感じなのかどうなのか。

 

最終決戦後、抜け殻のようになってしまったイルが、(ソリトゥスによる治療を受けて)琴音ちゃんの元に帰巣本能であるかのように戻ってくるのが良かったです。

抜け殻状態から結構あっさり色々思い出せてたのは、まあ乙女ゲーム的にやむを得ないか……

 

これまでの攻略対象4人のうち、人間である凛堂を除いて、全員大量殺戮の経験ありっていうのも……すっごく攻めてますよね……

 

 

 


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