kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

オランピアソワレ 感想5(ヒムカ)

個別キャラ感想

感想4からの続きです。

www.otomate.jp

ヒムカ(cv.堀江瞬

オランピアソワレ(ヒムカ)

弔い屋の青年。非常に強い「拔」の力を持つ。色んなことが謎。

 

面白かったです。

ヒムカのキャラクター自体はさほど好きという感じではないですし、ストーリーも、それ自体として見れば普通かな……程度ではあるのですが、世界の謎が明かされていくのは大変興味深かったです。設定厨なので……

 

ストーリー的には、白夜とヒムカの恋を通して世界の秘密に迫ったり、世界の危機を乗り越えたりする感じ。

誰だったかのルートでヒムカが「卑流呼に会ったことがある」みたいなことを言った時に、あーこれ多分卑流呼様本人だな…… と思ったので、それ以降ずっとそういう目で見ていた。

ので、ヒムカの正体に関しては特に驚きませんでした。

それにしても卑流呼様に前座をさせるとは、朱砂は一体何者なのか。

 

途中までは他のルートと同じく、(主人公カップルに限らない)身分差恋愛=ハズシについてなど。終盤にかけては、連続蒸発事件の解決と、闇の女神との対決について が主なエピソードでした。

 

このルートでも、薙草が一瞬の輝き(ダメな方への)を放ち、一瞬で姿を消した(物語的な意味で)ので笑った。

それに比べて、柑南と、バッドエンドの1つで突如現れて決定的な仕事をする叉梗医師はさすがですね。

天草四郎時貞ルートで柑南と海浬が悪役的な意味でつながっていた理由は、このルートで分かったような気がします。

海浬は処刑人業務と色層差別のつらさ、柑南は双子として生まれたにもかかわらず「黄」の身分を得た兄へのコンプレックスと、色層上位には決してかなわない閉塞感と、剥の病で生殖能力を失ったつらさとかその辺。

で、「こんな世界なくなっちまえ」の部分で手を組んだということなのでしょうね。

天草四郎時貞ルートでの柑南の台詞「絶望の中でしか生きられない」にちょっと引っかかっていたのですけど、「絶望の中でのみ生きられるから希望は要らない」という意味ではなく、「生きていても夢も希望もないぜ……」ぐらいの意味だったのかな。

 

まあ、少なくとも海浬暴走の元凶だったイザナミが一番悪いんでしょうし、討伐して良かったのでしょうけども、ヒムカの「醜く汚れたものは要らない」という言葉はちょっとどうかと思いました。

それって、罪人や無色以下の色層の人を、地上人が黄泉に押し込めて蔑む理屈と同じだと思うんですが。

それに反抗し、制度を変えようとしているのが白夜と攻略キャラを始めとする彼女に協力する面々の思いなんじゃないのですか?

 

ヒムカ復活のエピソードについては、力を失い死んだヒムカが、大した代償なしに復活しており、「うーん」と思ってしまったのですが、「神」復活のために蓄積していた力を使用したのだから、卑流呼様ではなくヒムカという一人の人間として復活させることぐらいはたやすいということなんでしょうかね。

 

あと、「白」の女が愛し愛されて得る色は魂の力だそうですけれども、だとしたら元「黄」の玄葉と交わって得る色が黒というのはおかしくないです?

髪の色が変わると魂の力も変わるの?

 

恋愛面では、コイツ(ヒムカ)ちょっと面倒くさいなあ……と思ってしまいました。

自虐とオランピアへの崇敬が強すぎて。まあ本当は、オランピア(白夜)へではなく「アマテラス復活のための器」への崇敬なわけですけど。

その分、白夜に心を開いてくれる過程にほだされるということなんですかね。

ヒムカが面倒すぎて、刈稲いい男だなー、もう刈稲でいいじゃん……と思いながらプレイしておりました。まずいのは弟と、魂の半身が既にいる(故人ですが)ことだけですね。

 

SFとかでよくありますが、失われた人の器としてかわいがっていたはずなのに、長ずるにつれ、器としてではなくその子自身として大切になってしまい、器として使い潰すことに苦悩するのって良いですよね……ヒムカは苦悩してないので、そういう意味でも大変残念でしたけどね……

 

そういえば、ハズシであるせいで心中した沖宿(「青」)と澪の立ち絵なしモブカップルですが、地上の男が黄泉の女にはらませるのは合意の上でならアリなんじゃなかったのか。承諾書の設定どこ行った?

 

ヒムカルートをプレイするまでは、天供島を中心としたこの世界は、流れ着いたヒルコが構築した別世界で、古事記世界(「海の向こう」の世界)と隣接しているのだろうなーと思っていました。で、天供島世界が出来た後に、何らかの理由でイザナミ三貴子のうちの二柱がやって来たのかなと。

でも、これはつまり、「海の向こう」の世界はもう滅んでいるということでよいですか? なかなか斬新な設定だな……

「海の向こう」から漂着物が届くのは、天供島世界と「海の向こう」の世界は時間軸的にリンクしていないということでしょうかね。

 

イザナミが言っていた、「「あの男」に勘付かれると面倒」みたいな台詞がありましたが、「あの男」って誰のことなのでしょうか。

恐らくイザナギスサノオなんでしょうけども、イザナミの警戒ぶりからするとイザナギかな?

でも、古事記的にはイザナギから生まれたはずの月黄泉が「母神イザナミから生まれた」みたいなことを言ったのからすると、イザナギ不在の世界観なのでしょうか?

だとするとスサノオが第一候補ですけど、スサノオってイザナミにそんなに警戒されるようなイメージないんだけど……義理の母(イザナミ)に会いたがって大暴れし、高天原を滅茶苦茶にする男だぞ……?

どうなんですかね。

 

 


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