kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

オランピアソワレ 感想6(朱砂)

個別キャラ感想

感想5からの続きです。

www.otomate.jp

朱砂(cv.松岡禎丞

オランピアソワレ(朱砂)

コトワリの所長で白夜を外の世界に引っ張り出した張本人。誰もが「天供島で最も信頼できる男」「オランピアの婿として申し分ない」と口をそろえる完璧超人。おまけに料理男子。

 

いや、スゲエよ……さすが「オランピアの婿大本命」。初手天女島ってさあ……

そんな手が可能なのは朱砂だけでしょうよ……

恋愛面は心から文句なしでした。

 

ストーリーとしては、世界の滅亡を回避せよ! という感じ。なんかちょっとヒムカルートとごっちゃになるんですが……

これまでいーい感じに胡散臭かった月黄泉が本性を現すわけですけども、それと朱砂の存在が、かみ合っているように見えて全くかみ合ってないんですよねえ。

 

・朱砂は「あの男」=かつてアマテラスを殺したスサノオの転生(?)のため、月黄泉に文字通り殺したいほど憎まれている。

・白夜は18歳になると、アマテラス復活の器となる予定であった。

・月黄泉は白夜を失わないため、イザナミを目覚めさせた。(多分……)(イザナミの力により先に天供島世界を滅ぼすことでの逃げ切り狙い、だったはず)

 

ということなのだと理解しているのですが、朱砂がどう振る舞っても滅亡が避けられない(月黄泉自身にも止められない)手段を用いている以上、スサノオ云々が完全に浮いているんですよね。恒例の瓦版権力のネタにされているぐらいで。

 

あと、月黄泉の目的を考えれば、白夜に「世界を救うには私がアマテラスの器になるしかない」と思い詰めさせてしまう手段を取るのはおかしい。

それに、白夜がアマテラスに乗っ取られる前に世界を滅亡させての逃げ切り狙いなら、白夜の誕生日にイザナミを起動するのでは遅すぎますよね。予定通りに18歳の誕生日にアマテラスが降臨したら、それでもう詰みなわけですから。これは、月黄泉の手記であった通り、本当は滅びを希求していたためであっても同じですし。アマテラスが復活すれば、天供島世界の滅亡はあり得ないということだったはず。

 

つまり、どちらにせよ、月黄泉が真っ先にやるべきだったのは、天女島の生き水の中にある鏡の始末だったのではないでしょうか。

もし天女島の鏡は月黄泉には手に入れられない理由があるとすれば、幽宮にある鏡の方でもよいですけども。月黄泉の目的と行動が矛盾しすぎている……

 

鏡と言えば、終盤の月黄泉が盗み出した幽宮の鏡探しのエピソードですが、隠し場所が月黄泉のすみかの側にある死に水の中って、大本命ですよね……近付く者を不自然さなく監視できて、もし見付かったとしても取りに行くことが困難(剥の病にかかるから)ですし。私が月黄泉でもそこに隠しますわ。隠すんじゃなく破壊した方がいいとは思いますけども。

主人公も攻略対象の皆さんも全く思いつかない様子だったのが不思議でなりませんでした。

 

話が逸れましたが、朱砂が天女島で生まれた唯一の男であったり、スサノオがアマテラスを斬った剣がホラーレベルでつきまとってきたりと、「スサノオの生まれ変わり」を随分強調した割に、ほとんど本筋に関係してきませんでしたね。無駄設定とまでは言いませんが、もうちょっと本筋にうまく活用して欲しかったです。

スサノオがアマテラスを殺したせいで古事記世界が滅亡し、天供島世界はヒルコがつくった2つめの世界 とか、面白い設定があるのに、あまり活用されなくて残念でした。

 

しかし、ヒルコは生まれてすぐに流されたはずなのに、いつどこでアマテラスに会ったんだろうか。

そしてイザナミヒルコと三貴子以外の神々はどこに行ったのでしょう……少なくともカグツチはかつての世界で存在していた設定ですけども。

まあ、他の神々は古事記世界の滅亡に巻き込まれて一緒に滅んだとかそういうことでしょうかね。

 

それにしても、アマテラス復活のくだりはよく分かりませんでした。

器なしで復活できるのなら、さっさと復活してくれれば良かったんでは……

うーん、かつて自分を殺したスサノオの転生である朱砂の必死で真摯な気持ちに心を打たれたから頑張って復活した とかなのかどうなのか。

 

あと、アマテラス復活によりあらゆる問題が解決したのはさすがに疑問の念に堪えませんでした。

太陽復活は良いとして、古事記世界も元に戻ったというのは???

それにイザナミも心が浄化されてイザナギの元へ行って幸せに笑っているらしいですが、そんなにあっさり浄化される程度の病み方でしたっけ、イザナミ? そしてイザナギは一体どこにいるのか。

 

恋愛面では文句なしでした。結局全攻略キャラが魂の片割れでしたけれども、まあそれはともかく。

朱砂は最初にちょっと正論だけどもデリカシーに欠けることを言っただけで、そもそも非の打ち所のないスーパー完璧超人ですしね。その上で初手天女島なんてカードをさらっと切ってくるし、料理の腕は見せ付けてくるし、白夜が惹かれるのは実に自明である。

朱砂の方も、父親のつながりや職業上の情報が土台になった上での恋愛感情なので、唐突感があまりなくて良かったです。

 

朱砂は、押すところと引くところのバランスが絶妙ですよね……「ニル・アドミラリの天秤」のメインヒーロー・隼人の時も似たようなことを思いましたが。

非常に真っ当で真っ直ぐなところも共通していますが、隼人が天然物の根っから陽性の真っ当さなのに対して、朱砂は薄暗さを抱えつつ自ら選んで強さ真っ直ぐさを身に纏っている感じですね。白夜が民衆に襲われそうになったとき、民衆に刃を向けてまで自らの覚悟を貫こうとする姿にそれが現れていたと思います。とても良かった。

まあ隼人も朱砂もどちらも大好きなのですが。

 

松岡禎丞さんは一癖ある役の方がハマるよねと個人的に思っているので、メインヒーローを演じてもらえるのはとても嬉しいのだけど、どんな感じになるのかなーとちょっと心配していたのですが、完全なる杞憂でした。あまり起伏が大きくない中での演技スゲーですわ……

ハッピーエンドのエピローグと短編集での演技が、本編中での重荷を背負った感と比べて明らかに軽くなっていて、本当にさすがでした……大変良いものを聞かせていただきました。

 

というわけで

オランピアソワレ」の感想でした。

全体的に腑に落ちない点が多く、また、せっかくのオモシロ設定を使い切れていない感もあり、少し残念でした。

イラストは、立ち絵もスチルもきれいで良かったです。

そして、朱砂というキャラクター(中の方を含めて)を生み出してくれたことで全てがOKですね!

 

好きな攻略キャラクターの順番は次のとおりです。

 

朱砂>玄葉>縁>璃空>天草四郎時貞>ヒムカ

 


にほんブログ村 ゲームブログ 乙女ゲー(ノンアダルト)へ
にほんブログ村