kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~ 感想5(平知盛)

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個別キャラ感想

平知盛(cv.福山潤

ビルシャナ戦姫(平知盛)

平清盛の子。平家きっての知将であり、異類の力を強く受け継いでいる。厭世的な性格で、興味のないもののためには一切動かない。主人公に執着している。

 

頼朝ルートが望外に物凄く良かったのと、同じ平家である教経ルートのトラウマから、あまり気が進まない感じでプレイしたのですが、存外と結構良かったです。

やはりこういう取り澄ましたキャラが感情に振り回されて無様にあがくのは良いものです。

 

共通ルート冒頭、遮那王が教経に弁慶捕縛勝負を挑まれるシーンは、何か軽いなーと感じたのですが、その直後の知盛(と重衡)のシーンでぐっと重みが増し、時代感が出るのに感心しました。知盛の台詞と中の方の声質・喋り方が素晴らしいですね。

(別に重衡も全く悪くないのですが、キャラの性格上、重さとは無縁な感じなので)

 

ストーリーとしては、清盛の血筋に現れる異類の力と、その根源との対決と決着について。真相ルートに当たると思われます。

 

知盛ルート前半までは、これまでのルートで見てきた知盛とほとんど同じメリーさん知盛で、怖いし気味悪かったです。

特に、平泉に匿われている遮那王に髪飾りを届けるために、佐竹氏に命じて平泉に(武力的な意味で)ちょっかい出させるところなんて、最高に気持ち悪かったです。

でも、常陸国の住民としては、佐竹氏を登場させてくれてありがとうでござる。役柄は残念だが。

 

ところで、平安時代以降の日本って、世界でも類を見ない装身具の少ない時代に当たるはずだと思うんですが、珊瑚の髪飾りなんて存在したんですかね。日宋貿易の伝来品でしょうか。

 

義経と知盛の珍道中については、義経が知盛に付いていく理由付けにあまり違和感がなくて良かったです。

それまで単に義経という存在=自分と同じ力を持つ者に執着していた知盛が、義経との会話の中で、意表を突かれたり義経の言動に振り回されたりして、様々な感情をかき立てられていくのは、王道ですがやはり良いですね。

それによって知盛は一個人としての人格を持つ義経に好意を抱いていくことが出来たのだろうし、義経の方でもそんな知盛にほだされていったのでありましょう。……まあ、ほだされるのが早すぎて、ストックホルム症候群かと思いましたが……

 

ところで、義経の珍道中の目的って、義経の素性調査と異類の力の制御を教えてもらうこと、の2点だったと思いますが、後者教えてもらってるシーンありましたっけ??

 

これまで、源平の和睦をぶち壊したり、二位尼の代役を演じたりと便利要員だと思っていたとっこちゃんでありますが、実はラスボスだったとは……

正確には、ラスボスにして異類の力の根源に体を乗っ取られた、ということですけれども、そのことについてはお気の毒に……性格はアレですが……

壇ノ浦でラスボス化した徳子が弁慶ルートで化け物化した重衡と似たような見た目になっていましたが、重衡みたいな面白さはありませんでしたね? 口の裂け方が自然な感じだったからでしょうか(自然とは?)

 

清盛と面会し、示唆された自らの出自にショックを受けた義経は頼朝陣営に戻るわけですが。

「話しても信じてもらえないだろう」とか思いながら鬱々している義経を見ていると、自己判断で悩んでないで兄上に全部ぶちまけちゃえよ、という思いを禁じ得ませんでした。頼朝兄上、断片的とはいえ情報持ってるんだぞー。

 

ラスボス徳子ちゃんにボコボコにされた知盛が、頼朝軍に投降するくだりは、なかなか熱い展開でしたし、何よりも安心しました。

あーこれで義経が平家方に寝返らないことが確定したよかったー! という感じ。(教経ルートの根深いトラウマ)

 

壇ノ浦の戦いにおいて、頼朝と知盛の間で「私(知盛)が源氏軍の先頭に立っていれば、平家方は混乱するだろう」みたいな会話があったにもかかわらず、その混乱の描写がなかったのは残念でした。

 

恋愛面では、両者とも珍道中がほぼ全てですよね……

その後はお互いに、自家発電というか、珍道中のことを思い出したり、それ以外のことに意味を後付けしたりして各々思いを強めていったように見えます。

 

清盛が「知盛があんなに執着するとはな……」とかおっしゃっておりましたが、プレイヤーとしては「えっそう?」という感じでありました。

これまで全ルートで結構な執着具合を披露してくれているので、意外感はゼロですよ。

 

恋愛エンドは、教経ルートでぶっ壊された和睦エンドがここに……

他ルートとの重複感がなくて良かったです。

知盛も自ら「自分がこんなに執着するたちだったとは意外」みたいなこと言ってましたけど、だから意外感ゼロだってば。

 

悲恋エンドは、春玄悲恋エンドの上位互換かと思って戦々恐々としましたが、知盛が途中で思いとどまってくれたので良かったです。知盛が自暴自棄の復讐鬼になったら、どう考えても春玄なんかよりはるかに酷いことになるでしょうねえ……

でも、春玄の言葉のどの辺が知盛を思いとどまらせたんでしょうね。

 

ラスボス(徳子ちゃんの体を乗っ取った存在)が、全ての始まりである清盛の生母ではなく、清盛の同母妹なのが不思議だったのですが、大きい理由は義経の年齢設定と知盛・教経との親等問題なのかな(身も蓋もないですが)。

それとは別に物語的な話で言うと、純粋な神なる存在(清盛母)とは異なり、神なる力を持ちつつも人の混じった存在(清盛妹)だからこそ、「兄の願いを叶えたい」という自らの欲望に任せて、あのような事態を引き起こしたということなのかなーと思いました。

 

ところで、義経の実父は結局誰なんですかね? ラスボスの逃亡を手引きした、消えた見張り番の人がそれっぽく描かれていたような気もしますが、個人的にはラスボスの単為生殖だといいなーと思いました。

 

 

 


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