はじめに
かつて乙女ゲームに手を出し始めた折、どんなゲームがあるのかなーと色々探していた際に、何か他の乙女ゲーとは毛色が違いそうな感じで興味を持った作品でした。
当時はPSP版のみで、新品も中古も入手が難しそうだったので諦めたのですが、いつの間にかPS Vita版が出ていたのを知っていそいそとプレイしたのでした。
プレイ順は、
日生光→桐島七葵→遠野十夜→蒼
です。
そんな感じで感想です。
声優さんの氏名は敬称略です。
ストーリー概要
主人公・遠野紗夜と仲間達が、各章ごとに物語をモチーフにした事件(?)を解決して、何とも言えない気分になる話。
ルート感想
共通ルート
1周目は個別ルート入りできずに共通エンド。
せっかくなので共通ルート各章の感想を記します。
プレイ前に思っていたよりも大分現実寄りの話でした。
が、ところどころファンタジーが混ざってくるので、作中の出来事や台詞をどこまでそのまま受け止めればいいのか分からなくなります。
また、登場人物が全体的に理屈っぽいので、ちょっとした感情や言葉の使い方を論理的に説明されすぎて煙に巻かれている気分になれる。非常に哲学的。
一章
記憶喪失の女性の話。
婚約者がいるのに浮気した教師と浮気相手のともゑさんが加害者であって、教師の婚約者さんが被害者ですよね? たとえともゑさんがそのために部分的記憶喪失になったとしても。
と思っていたんですが、ラストのあれって……もしかして、浮気教師、婚約者に事故を装って殺されてます……?
そしてともゑさんの姉を名乗ってともゑさんに寄り添う女性、彼女が教師の婚約者さんですよね? 怖っ!
二章
自称「絵本の主人公」ルイス氏が、作者である「遠野十夜」に結末を書き換えてもらおうとする話。
友人達と共に足を使って兄・遠野十夜を探し回る紗夜ちゃんを見ながら、何はなくとも時代を感じるなあ……と思っていたんですが、いやいや、よく考えればこれ、PSP版が出たの2011年ですよね? 当時の携帯電話普及率は大分高いはずですよね? そして遠野家はもちろん、友人達もかなり裕福な家の出身のはず。
なんで誰も「携帯電話にかけてみれば?」みたいなことを言わないんだろうか。
遠野十夜が携帯電話を所持しているかはともかく、そういった発想は出て来てしかるべきなんでは?
ええと、何かの伏線? それとも単なる雰囲気作り?
結局普通の人間だったルイス氏は、もし本当に作者に会えていたらどうするつもりだったんでしょうか。
三章
猫(ぬいぐるみ)の恩返し的な話。
着ぐるみ=ヴィルヘルム・猫田氏の中身が2種類いる、そしてそのうちの片方は紗夜ちゃんのクラスメイトの夏目君である、ということは結構早々に分かったわけですが(プレイヤー的に。紗夜ちゃん達は気付かないアレです)。
夏目君じゃない方は、実際何者なんでしょうか。
作中の演出的には、夏目君が大切にしてる猫のぬいぐるみが恩返しに来たんですよ、みたいな感じで示唆されていましたが、さすがにそれだと、これまでの話のバランスからしてファンタジーに寄せすぎなんですよね……
かといって、特に候補者となるようなキャラクターも出て来ていないんですけど。
発想が飛躍気味になりますが、離婚により離れて暮らしているらしい夏目君の父親かな……作中に全然出て来ていませんけども、他にわずかでも候補になるようなキャラいませんしねえ。
とはいえ、ヴィルヘルム・猫田氏(夏目君じゃない方)の行動はいい年こいた大人のものとも思えぬのですけど……いかに。
四章
日生光(本物/偽物)の話。
ある日突然、紗夜ちゃん達の前に「本物の日生光」を名乗る人物が現れ、紗夜ちゃん達が通常接している「偽物の日生光」と本物である自分との違いを見極めてくれ、と頼んでくるわけです。
で、紗夜ちゃんは、本物と偽物の違いを見破った上で、「(自称)本物の日生光」も「偽物の日生光」が演じていたのです!(要するに2人は同一人物)という推理を突きつけるのですが、プレイヤー的には、その推理はちょっと納得がいかなかったです。
立ち絵からして「前髪がうっとうしい日生光(偽物)」と「前髪があんまりうっとうしくない日生光(本物)」の2種類いることは確実ですし、理由は不明ながら、日生光(本物)と日生光(偽物)が共謀して何かをやっているんだろうなあ、と思ったんですけど……違うの……?
日生光ルートで何か明かされるんでしょうか?
五章
目に見えない存在についての話?
あとは主人公の内面的な話とか、兄・遠野十夜との話とか……ちょっとあんまりまとまった感想が出て来ないです。
ラスト付近で、桐島先輩のお友達・千代さんが自分の正体を思い出したようなので、今後のルートで明かされればいいなと思います。