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主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

【読書記録】「終末何してますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」「終末何してますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?2」「謎の独立国家ソマリランド」

読んだ本の一言感想です。ポロッとネタバレしてるかもしれませんが、悪しからず。

 

「終末何してますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」(枯野瑛/角川スニーカー文庫

500年前の戦いで眠りについていた青年が、古代兵器の部品として生み出された「妖精」の少女たちと出会い、再び歩き出す話(多分)

 

何か久し振りに良いラノベを読んだなあという感じです。 ラノベ主人公らしい、鬱屈した、でも優しい心と信念を持った青年。 ラノベヒロインらしい、気が強いけど脆いところがある、悲劇の運命を背負った美少女ツンデレメインヒロイン。 あと各種サブヒロイン。(ロリ「妖精」の皆さん方よりも、個人的に喰人種のお姉さんが一番あざとい(誉め言葉)気がする)

設定も、適度な絶望がありつつもそこまで閉塞感は感じさせず、ちょうど良い感じで読めます。

あらすじからして「妖精」達がバタバタ死ぬのかなーと思っていましたが、1巻読み終えた感じだと、そこまででもなさそうですね。メインヒロインが死んで爪痕を残すタイプじゃなく、生きて主人公の背中を押すタイプっぽい。

まだまだ序盤ですので、2巻以降でどうなるのかなー。楽しみです。

 

 

 

「終末何してますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?2」(枯野瑛/角川スニーカー文庫

元勇者の青年と妖精の少女の甘酸っぱい交流と、過酷な現実についての話。

 

いや、それ普通に「才能ある」って言うと思うんですけども。

才能ないはずなのに、実戦では才能ある人間と同等以上の戦果を挙げたり、工房で多人数で時間かけてやらなくてはいけないはずの超兵器のメンテを、その辺の屋外で独りで短時間でできちゃったり、それのどこが才能不足なの??

ラノベ主人公っぽくてとってもいいと思います!

 

ツンデレメインヒロイン達の厳しい戦闘とか、「妖精」であるがゆえの宿痾(っていうか)とか、それでも彼女達を「消耗」して戦い続けなければならない世界の成り立ちとかが描かれるわけです。

でもやっぱり設定ほどの息苦しさは感じさせないんですよね。

描写ゆえなのか、文体ゆえなのか。作者さんがどの程度意識してこの雰囲気を作っているのかは存じませんが、ライトに読める点では本当にちょうどいいと思います。

500年前の話も読んでみたいですね。

 

 

 

「謎の独立国家ソマリランド」(高野秀行/集英社文庫

内戦の続くソマリア内部にあって、独自の平和国家を形作っているソマリランドの謎に迫るルポ。

 

ソマリアといえば海賊。ぐらいの認識しかなかったのですが、非常に興味深い内容でした。

伝統的氏族制度を生かして平和国家を形づくったソマリランド。一方、西欧民主主義により氏族制度が崩れたせい(ものすごく単純に言えば)で諍いの落とし所が作れない南部ソマリア

西欧民主主義が悪いとは思いませんが、民族の性格や従来の制度とか地理的条件とかで、適合不適合があるということですね。

日本は比較的スムーズに(内戦も敗戦もありましたが)そのあたりが移行できた方なのでしょうね。幸いにも、と言って良いのかな。

 

作者さんの語り口が軽妙で、登場するソマリ人の皆さんも生き生きしており、分厚さが苦にならない高いリーダビリティを誇る作品です。

南部ソマリアの首都モガディショの人々の異国人への対応がソマリランド人と大分違うことを、都会人の含羞と表現していたのが何か印象的でした。内戦のただ中にあっても首都は首都なんだな、と。

 

 

 

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