【読書記録】「終末何してますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?3」「うばたまの 墨色江戸画帖」「巴里マカロンの謎」
読んだ本の一言感想です。ポロッとネタバレしてるかもしれませんが、悪しからず。
「終末何してますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?3」(枯野瑛/角川スニーカー文庫)
死の淵から奇跡的に蘇ったヒロインを救うため、地上に向かった主人公は、現生人類の敵「獣」の非情な真実を知る。そしてヒロインの容態も急激に悪化し……みたいな話。
「妖精」って人格が消滅したら肉体も消えるんじゃなかったっけ?
肉体が残って人格が入れ替わるのは稀有な例ってことなんでしょうか。
じゃなくて、人格侵食が起こるのが稀有な例で、侵食され切るまで肉体が生きてるのが更に稀有な例と言うこと?
だとしたら、2巻で「人格が崩壊したから近々肉体も消えるよ」みたいな感じで主人公が報告もらってたあれは何だったの??
それはさておき、恋愛面が一足飛びに進展(っていうか)して、ちょっと驚きました。もうちょっとじりじりするかと思ってたんですが。
世界の真実面は、いい感じに明かされてきて、この調子でお願いしますという感じです。
現在の世界の成り立ちが解き明かされても、崩れゆく世界と消耗される「妖精」は変わらないのでしょうけど(大賢者様は世界の成り立ちやらなんやらとっくにご存知ですし)、何かしら希望の灯りの数が増えればいいよねと思います。
「うばたまの 墨色江戸画帖」(佐倉ユミ/集英社オレンジ文庫)
かつては将来を嘱望されていたが、モチベーションをなくして師に破門された絵師の主人公が、ある出会いから自分らしい絵を描く絵師として再生したり、友人のからくり人形師と共に奇妙な事件を解決したりする話。
捕物帖ではない江戸の町人物。こういうの大好きです。
江戸の町と人情がさり気なく活写され、その中で悩みながらも再生していく絵師・青井東仙。
毎回大きな事件が起こるわけではないのですが、日常が描かれるのがとても良いです。
第2話に出てくる玄鳥ちゃんの粋な感じと廓詞が凄く好きです。 なので東仙さんには玄鳥ちゃんのために頑張ってお金を稼いでもらいたい。
あと、続きを出してほしい……
「巴里マカロンの謎」(米澤穂信/創元推理文庫)
「小市民」シリーズ11年ぶりの新刊。小鳩くんと小佐内さんの高校1年の9月~1月にかけての活躍4編を収録。
待ってた。心から待ってた。
本当に待ってたのは「冬期限定~」なんですが、一時はもう小鳩くんと小佐内さんに新たな事件で出会うことはないのかもしれない……と悲観していたので、この新刊が出てくれてとてもうれしいですし、シリーズが生きていることが確認できただけでも心底ありがたいです。
これで「冬期限定~」を待ち望む気力が持続します。
信じてますから!
刊行直後なので内容への言及は避けますが、小鳩くんの静的探偵力と小佐内さんの動的探偵力、そして上々のスイーツ(作中では「甘いもの」と呼んでいますね)の組み合わせや対比が大変素敵でした。
ライトでポップでスイーツ(甘いもの)なのにロジカルでビターな小市民健在なり。
あと、小佐内さんの言い間違いが可愛かったです。
私はチーズケーキはベイクド派で、紐育チーズケーキとはお近づきになったことがなかったのですが、近いうちに絶対食べよう……という気持ちになりました。 片田舎だとどこに行けば食べられるんですかね? スタバ?