スチームプリズン -七つの美徳- 感想2(ウルリク・フェリエ)
個別キャラ感想
ウルリク・フェリエ(cv.高塚智人)
腕の良い情報屋。雇用主は主にエルトクリード。
口と性格が悪く、口癖は「馬鹿」。上界嫌いで人間不信。
なんか、エルトさんがエルトクリードルート以上にエルト無双だった……
ウルリクは、キャラクターテーマが「賢明」の割に、それほど賢さが光るエピソードはなかったように思います。
いや、頭が良くて知識が豊富というのは分かるんですが、それだけで「賢明」というのはちょっと違うような。人付き合いとか立ち回り方とか、機転の利かせ方がいまいちじゃないですかね、ウルリクさんは。
キルスのことを世間知らず扱いしておりましたが、ウルリクもキルスとは別の意味で世間知らずなんじゃないかなーと思ったところであります。視野が狭い、井の中の蛙的な意味で。
とはいえそれが悪いわけではないですけども。知識と自我が肥大した子供が粋がっている感じで微笑ましいなーみたいな。
ストーリーとしては、ウルリクが悪い仲間にそそのかされて、上界と下界の一部を崩壊させようとしたり、エルトさんに説得されて崩壊を阻止しようとしたりする話。
正直、ウルリクがこのルートの悪役であるバイスと親しくしている意味が分からんかった……いやまあ作中でちゃんと説明はされているんですけどね? バイスがウルリクのことを「フェリエの末裔」、「始祖様」と崇め奉ってくれるのが嬉しかったわけですよね。ウルリクのエルトさんに対する複雑な思いとの対比で。
しかし、「賢明」なるウルリクならバイスのそれが心から慕っての態度なのか、上界破壊のため、ウルリクに取り入るための上辺だけのものなのか、判断付いても良さそうなものですけど。
あと、小物悪役に崇め奉られるのが嬉しいって、乙女ゲーヒーローとしてどうなのかとちょっと思いました。
乙女ゲーヒーローとしてといえば、キルスがバイス一味に毒壺(という名の地下ゴミ廃棄場所)に落とされ、それをウルリクが助け上げるくだり。
キルスがこんな目に遭ったのはウルリクがバイスに不用意な一言を言ったことがきっかけだというのに、それを謝ったり反省したりするどころか、助けてやったとキルスに対して恩着せがましい態度を取るのは、本当にどうかと思った……
キルスとウルリクは同い年で、どちらの方が子供っぽいかみたいなことを言い争うエピソードがありましたけど、明らかにウルリクの方が子供っぽいよな。
フェリエ一族に代々受け継がれてきた書庫でキルスとバイスが鉢合わせしかけたエピソードについても、ウルリクがここに至ってまだ自分とバイスのつながりをエルトさんに隠そうとするのはいかがなものかと。
ところで、そんな貴重な書庫なのに鍵かからないの?
ハッピーエンドについて、キルスとウルリク危機一髪! のところでエルトさんが颯爽と助けに来るところは笑った。
しかも、上界破壊装置が起動中に壊され、ウルリクの力を持ってしても停止不能になっているのも、エルトさんがヴァーレンティン伝来の鍵を持っていて緊急停止してみせるし。
ウルリクいいとこないじゃん……いや、面白かったのでいいんですけど……
「フェリエ」エンドでは、結局上界は破壊されずに済んだようなのですが、どうやって装置を止めたのだろうか。
ハッピーエンド同様にウルリクは操作不能だったし、書庫内に流れ込む水のせいで内開きの扉が開かなくなっていたから、エルトさんの鍵も使えないですし。
装置が壊れていたせいで、上界破壊プロセスが最後まで到達せずに終わってしまったとか、そういうことなんですかね?
恋愛面では、エルトさんが輝いていました。(ウルリクルートなのに)
ウルリク(とキルス)をニヤニヤ見守ったり、父親目線で感涙にむせんだりするところが、やっぱりエルトさんいいですわあ……
ウルリクは、「僕は上界人なんか大っ嫌いなんだからな!」という思い込み? 家訓? が強すぎてツンデレみたいになっていたのが、面白かったようなぐだぐだだったような。
キルスの方は相変わらず、「ウルリクさんに会っても別にドキドキしたりしないな」とか思っているのが面白かったです。
エルトさんとウルリクの関係が、雇い主と情報屋というの表向きであって、本当はエルトさん(ヴァーレンティン家)がウルリク(フェリエ家)に仕えている、というのが大変面白かったです。
ウルリクがヴァーレンティン邸で好き勝手しているのって伏線だったのですね。
幼い頃に一度会って後、長らく顔を合わせていなかったエルトさんとウルリク。2人が再会した時の回想、エルトさんの光が強すぎてまぶしい……
ウルリクがエルトさんに対して複雑な感情抱くのも分かるわあ……