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主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

ピオフィオーレの晩鐘 -Episodio1926- 感想4(-BURLONE-楊)

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-BURLONE-個別キャラ感想

楊(cv.岡本信彦

ピオフィオーレの晩鐘-Episodio1926-(楊)

ブルローネを牛耳るチャイニーズマフィア老鼠の首領。精神的にも肉体的にも人間離れしている。が。

 

あれ? なんか楊ってこんなでしたっけ? もっとブッ飛んでいたような気がするんですけど……

記憶にあるよりも、なんかこう、普通でした。私は無印楊ルートだとバッドエンドが一番好きだし、最も楊らしい結末であったと思っている人間なので、ちょっと物足りなかったです。

まあこの話は、作中で言われているとおり、リリィ嬢と共に在るようになって後の楊の変化を描くものですのでさもありなんではありますし、あと楊よりも明らかにイカレているバケモンが敵方にいますので、相対的に楊がかすんで見えたのかも知れません。

 

ストーリーとしては、資格を失った鍵の乙女の処分を決定した教国から差し向けられた2系統の暗殺者を迎撃する話。

……というか……資格失っても命狙われるのか……鍵の乙女……

 

さておき、無印で主要キャラが楊とオルロック以外全滅しているので、非常に内輪の話という印象が強かったです。

教国は絡んできていますが、暗殺を請け負うのが袁とオルロックですし。

このルートでは、政府のマフィア潰しどうなってるんですかね?

 

無印でイギリスに行く話をしていましたし、話を転がせるような主要キャラももうブルローネにはいませんし、早々に舞台がイギリスに移るのかなーと期待しておりましたが、終始ブルローネが舞台の話でした。

そりゃそうか、このルートのためだけにイギリスの背景やらなんやらを用意するのは贅沢が過ぎますわね。

 

ルート中盤で、リリィ嬢と老鼠の新No.2である睿が、楊の事前承諾を得られない状況のため、やむを得ず事後承諾で一緒に買い物に出る展開があるわけですが。

このことで楊がリリィ嬢に浮気でもしたかのような嫌みを言ったことに、本当に、心底、驚きました。

楊の人間味が増してくる話とはいっても、いきなりこんなフルスロットル剛速球投げ込まれるとは思わんかったです……

こんな、テンプレ嫉妬男みたいな台詞、よりによって楊に言わせるのかよ……

楊が「こんなことを言ったくらいでリリィが傷付くとは思わなかった」みたいな弁解をしていましたが、そこ? そこなの? そういう台詞が自分の中からポロッと出て来たことに向き合うべきでは?

 

仲直りの背中合わせスチルも、イラストとしては大変素敵でしたが、「楊」としては……なんか物凄く違和感があります。無印楊の印象を引きずりすぎなんだろうか。

バッドエンドで袁が言った「楊が人間になってしまって残念だ」みたいな台詞は、ちょっと頷かざるを得なかったです。

 

別に楊ルートだけではありませんし、「ピオフィ」だけではないんですが、選択肢の文から読み取れる印象と実際に選択した時のニュアンスに食い違いのあるものが多いように感じました。

たとえば、袁が老鼠の拠点に襲来した際、リリィ嬢がなぜ楊の側にいるのかと問われるシーンで、選択肢は「楊に惹かれているから」と「楊が決めたから」の2択なわけですが、「惹かれている」選択肢を選ぶと、袁に「好きなら好きとはっきり言え(意訳)」みたいなことを言われてその場で殺される羽目になるのが非常に納得いきませんでした。

いや、その2択だったら「惹かれている」が「好き」って意味だろと。

まあ、後の方に出てくる中途バッドエンドの選択肢を鑑みると、袁的には、「好き」の言い方の問題ではなく、「楊の判断」ではなく「女の希望」で楊が動いているのが気に入らないということなのかもしれませんが。

だったら最初からそう言ってくれません?

トゥルールートで、「リリィ嬢は楊に決められたからここにいるんじゃなく、自分の意志でここにいるんだね」みたいな内容が肯定的に語られるもんだから余計に「あの選択肢は何だったの?」となってしまいます。

うーん、あの場で袁から身を守るための判断力という意味の選択肢なんですかね。乙女ゲー的には結構珍しいような……

 

トゥルーエンドでは、楊と袁の戦闘能力の差が物凄いなと感じました。

作中で、楊はこれまで幾度も袁を殺そうとしていて、中にはいいところまでいったこともある、という話でしたが、この実力差で本当にいいところまでいけたことあるの?

 

バッドエンドでは、またオルロックとのパワーバランス(以下略)。

エンディング後のエピソードでの、救いのないバッサリ感はなかなか良かったです。

 

六凰会の幹部は、同じ幹部(あるいは構成員でもいいのか?)なら、殺し合ってもお咎めなしだそうで。それどころか、殺した方が殺された方の地位と派閥を乗っ取れるというデスゲーム形式……

ギルバートルートでの、袁を殺したら殺したで六凰会からの報復が怖いというジレンマと比べると、物凄く便利な制度ですね! と思いました。

ギルバートルートで早々に楊を戦闘不能にしたのは、楊と袁の実力差から考えると、袁を物理的に抑えられないようにするためではなく、楊が参加すると六凰会デスゲームが適用になってしまい、ジレンマが維持できなくなるからという意味の方が大きそうですね。

それにしても、楊とか袁みたいな幹部を抱えているのに、よくそんなデスゲーム形式で組織が成り立ってますね、六凰会。

 

恋愛面では、リリィ嬢が「楊へのこの気持ちは恋なのだろうか?」とか自問しており、今そこなの!? と思いました。乙女ゲームのベストエンドのアフターストーリーで?

無印楊ルートの感想で、リリィ嬢の恋心がストックホルム症候群にしか思えない、と書きましたが、本人も多少それっぽい自覚はあったということでしょうか。

トゥルーエンドでの「飽きる前に俺の手でお前を殺してやる」は、ちょっと狙いすぎというか手垢が付きすぎな感じで、ちょっといまいちに感じてしまいました。

 

 


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