幻想マネージュ 感想4(ルシオール)
個別キャラ感想
ルシオール(cv.白井悠介)
レーヴ移動遊園地の整備士。普通の遊具も魔法の遊具も整備可能な有能整備士。人見知りで引きこもりで情緒未発達系男子。
心を開いてもらうために胃袋をつかもう第2弾。
エマちゃんの数少ない趣味の一つが料理という設定なので別に不自然ではありませんが、主人公にせよ攻略対象にせよ、料理スキルというものの強大さには改めて感服するばかりであります。
ストーリーとしては、ルシオールさんの情緒育成と魔女狩りについて。
魔女狩りと言っても、セルジュルートで軍がやっていたものでははなく、本来の意味に近い魔女狩りですね。
ルシオールは、レーヴからの解放反対派。そのため、自分の居住テントに閉じこもってエマちゃんと顔を合わせないようにするという行動に出るわけです。
乙女ゲー攻略対象としてはもちろん、社会人としてもいかがなものかと思いますけど、子供の頃の辛い経験のせいで、情緒や人間性を育てる機会を逸してきたからこその行動というのがシナリオから伝わってきたので良かったです。
そんなルシオールさんが、エマちゃんとの交流の中で(胃袋をつかまれて)少しずつ変化していく感じも良かったと思います。
後半は、エマちゃん覚醒のための手がかりを得るため、他の魔女に会いに行くという展開に。
覚醒に苦しむようなひよっこ魔女ではなく、現役バリバリの魔女に会えるなら、その人に解放を頼んではどうか、という話にはならなかったんでしょうかね? 他ルートは自由の身である他の魔女に会う機会がなかったのでともかく。
レーヴにかかっている魔法はかつてのエマちゃんの手によるものなので、エマちゃんにしか解けないから、ということなのかも知れませんが、レーヴの魔法がエマちゃんのものとかいう話、このルートでは出て来ていませんし。
あと、回想で、魔女狩りに熱狂した住民達にルシオールの母(魔女)は襲われたが、彼女は魔法で反撃できたのにそれをしなかった、みたいなことが言われておりました。
反撃しないのはともかく、防御もしなかったのかな? バリアというか、防御魔法的なものは存在しないの? この世界における魔法の用途がよく分かりませんね……
そしてなぜマルゴさん(ルシオール母の友人で、レーヴ一行が会いに行った魔女)は、こんな魔女に対する忌避感が強い街の近くにわざわざ留まっているのでしょうか。
エマちゃんの正体(魔女)がばれ、街の住人達が暴徒と化してレーヴ移動遊園地に押し入ってくるシーンで、ルシオールが石を投げられてボロボロになっておりましたが、魂だけの状態でも物理攻撃効くんですね。
あの暴徒達の意味不明さ、話の通じなさは、「魔女狩りの恐怖」を端的に表したものなのだと思いますが、某「100分de名著」でちょっと見た「群衆心理」の内容と重なるものがあり、説得力がありました。
Amour Endは、順当で良かったね、という感じでした。
ところで、エマちゃんが街中でうっかり魔法を使うきっかけとなったあの木箱は、何だってあんなに高く不安定に積まれていたんですかね? そもそも人力のみであの積み方は可能なんだろうか。
Rêve Endは、ルシオールの画策により、エマちゃんと2人でレーヴ移動遊園地に囚われたままになるわけですが(他のスタッフは解放)、そもそもレーヴ移動遊園地は幼い魔女の魔法の暴発により誕生したのに、そんな微妙な操作が可能なんですか?
ルシオールは「外の世界は危険だから、レーヴにずっといれば安全」みたいなことを言っておりましたけど、レーヴに押し入ってきた暴徒に襲われてるだろ、君ら……
まあ、最悪の結末は、マルゴさんに裏切られて暴徒達への引き渡しを食らってしまうことだと思っていたので、そうでなかっただけ良かったなーと思いました。
恋愛面ではルシオールがエマちゃんに「もっと外の世界のことを聞かせて欲しい」と言ったのを受けて、エマちゃんが外の世界の話が出来る適任者としてアルノーを連れてきたのが……ちょっと……
いやそれルシオールは「もっと君と話がしたい」って意味で言ってるんだろうに、明朗快活で人懐っこい(ルシオールと正反対の)同居の幼馴染みを連れてくるとか、エマちゃん男心理解しないにもほどがあるぞ……と思いました。
のですが、ルシオールもアルノーに対してそんなに拒否反応を示さなかったので(そもそも人見知りなのに)、あれー? となりました。
絶対話がこじれる展開だと思ったのに、ルシオールは本当に文字通り外の世界のことが知りたかっただけなのか……そうか……