kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

悠久のティアブレイド -Lost Chronicle- 感想5(ヤジュル)

個別キャラ感想

感想4からの続きです。

ヤジュル(cv:近藤隆

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3000年前に死亡し、この度科学の力で再生された青年。
本人は記憶がないが、3000年前は議員だったらしい。無駄に小器用。
 実はアルカディアの手下で、3000年前にネオスフィアの住民を(イヴ様以外)全滅させた実行犯。
 
敵同士の恋愛はいいですね! 落としどころが限られますけどね!
私は、お互いの喉元に刃を突きつけ合ってるような関係が(恋愛に限らず)(どんな恋愛だ)大好きなので、ヤジュルルートは結構ツボでした。
なので、多分このルートについてはいつも以上に評価が甘いと思われます。
 
まず、再生直後の記憶が戻っていないときの、チャラヤジュルがいい味出してましたよね。
イヴちゃんを取り囲む男の子(シュド)と子供(アタルヴァ)と保護者(クレイドル)のトライアングルを、本気か冗談か分からない言動で引っ掻き回すところとか、その飄々とした雰囲気のまま、合理的に非道な判断(勝利のために墓地を荒そうとするとか)を下す感じとか。
 
軽くてチャラくて有能な大人で、そんなまともそうな外面をしているのにふとした行動や判断がおかしい って、改めて並べてみると物凄く好みなんですがこの人……しかも裏切り者とかね。いいですね。
 
このルートでは、ガチで敵であるヤジュルの視点からストーリーを追えるのが楽しかったです。
ここまで4名、イヴちゃんの味方サイドからの話だったので(ロウも根本のところでは敵というわけではありませんでしたし)、新鮮でした。
個別ルートでも目標は同じ(アルカディア撃破)なので、どうしても似通ったストーリーラインにならざるを得ない点について、プレイ中は特に気にしてないつもりだったんですが、やっぱり若干飽きてたのかなー。
というか単に新情報が欲しかっただけのような気もしますが。
 
そして、このルート、ヤジュルの裏切りが発覚してから、イヴちゃんがヤジュルに激しい敵愾心を抱くことになります。
で、その敵愾心に忠実に選択肢を選ぶとバッドエンドになるという……
いや、ヤジュルルートプレイするまで、トラジックエンドがいわゆるバッドエンドに当たると思っていたので、驚きましたよ。なお、特にそこから場面展開するわけでもなく、ADVらしいあっさり加減でした。(ヤジュルのトラジックエンドはバッドエンドとは別に用意されていました)
 
で、何が言いたいかというと、そんな憎しみに駆られたイヴちゃんが良いなあと思ったんですよ。
上で書いたように、喉元に刃突きつけ合ってる感じが好きなのもありますし、それに「純粋で真っ白」でふわふわなイヴちゃんが、ヤジュルにだけそんな激情を向けるって、凄く特別感があるじゃないですか。
つまり、「かわいさ余って憎さ百倍」みたいな。ん? なんか使い方違う?
 
あと、「剣が君」の鈴懸感想でも書いた気がしますが、天使キャラが俗世の感情に囚われ、人間に堕すのも好きなんだ……
 
まあ、途中でイヴちゃんはその憎しみは自分のものではなく、イヴ様のものだということに気付くわけなんですけれども。
正直、凄く残念でした……うん、でも、確かにイヴちゃんらしくはなかったですもんね、あの反応は……
 
ヤジュルの生い立ちについては、最終戦争風というかディストピア風? な感じがしてなかなか良かったです。
ヤジュルが自分の身を顧みずネオスフィア住民を滅ぼし、また3000年の時を過ぎてもイヴちゃん(イヴ様)を殺そうとするのも、一応納得できる理由でしたし。まあ、生い立ちと性格とそのために彼がやったことを考えると、ちょっとウブすぎる理由のような気もしましたが。
ヤジュルは自ら選んで兵士やスパイになったわけではなく、幼い頃から選択の余地すらなくその道に立たされたわけなので、内面にすれていない純粋な面があるということなのかなと思いました。
 
そしてそういう純粋な面を持っているゆえに、イヴちゃんに惹かれたんだろうなー。
 
それにしてもロウが物凄く可哀想なルートでしたね。
ロウはあれだけ純粋に強くイヴ様を求めていたのに、一方のイヴ様はロウに目もくれずヤジュルへの憎しみに一直線ですからね……目もくれずというか、意識も向けずぷちっとヤってしまったというか。
過去にヤジュルがしたことがアレですから、イヴ様の気持ちも分からんではないですがね……
 
あとは、さすがメインヒーローと言うべきか、シュドが大変オイシイ役割を担っていましたね。
本人ルートよりこっちの方がずっとオイシイじゃろ、これ……
まあ、そもそも乙女ゲー攻略対象の皆さんは、本人ルートより他者ルートの方が格好いい場合が多い気はしますが。
本人ルートは内面の弱みをどうしてもさらけ出さざるを得ませんからねえ。
でも、シュドの場合は本人ルートでの苦悩が彼の魅力の一つですから! 少なくとも私にとっては。
 
イヴ様が一番手に負えんルートでした。
まあ、ヤジュルの自業自得ではある。
 
ハッピーエンドは、ご都合主義なのかそうでもないのかよく分かりませんでした……
結局二人とも生き返れた(?)ので、ご都合といえばご都合なんでしょうか。
とりあえず、ラストのスチルがとても美しくて好きです。
 
ヤジュル、この後人生を重ねていけば、あのチャラヤジュルに徐々に近づいたりするんでしょうかね。クレイドルによると、元々の性格はチャラヤジュルだった可能性が高いそうですし。
戻っても、今のままでデレても、どちらでも楽しいですが、髪型は裏切り者バージョン(前髪上げてるやつ)の方が格好良かったと思います。