kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

クランク・イン 感想7(櫻井時雨)

個別キャラ感想

感想6からの続きです。

櫻井時雨(cv:佐藤拓也

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文月ちゃんの家庭教師。優しく人当たりがよく、勉強を教えるのもうまい。そして非常に賢いようです。明言されていませんが、多分文月ちゃんとは6歳差。大学卒業後、警察官の道に進む。
 
さて、トリを飾るのはどう考えても絶対ヤバい時雨先生です。
徒組と違って緑ヶ島ルートと聖エドワードルートに分かれており、中学生編も結構展開が違うので、分けて感想を書きたいと思います。(とても長い)

時雨ルートに対するプチレーヴさんの力の入りっぷりが凄いと思う。
 

緑ヶ島ルート

中学生編
時雨ルートに入るには、冒頭の選択肢で新たに表示される「緑ヶ島か聖エドワードか選べない」みたいなやつを選ぶ必要があるんですが、それを選んでからも、うっかり生徒陣の好感度を必要以上に上げてしまうと、時雨ルートから外れてしまうようですね。
それで1周目を棒に振りました……
 
しかし映画の相手役を選ぶ選択肢で誰も選ばないと、相手役なしでヒロインのみが登場人物となるように脚本と演出を変更することになるんですが、何それ超高度……
 
で、時雨先生ですが。
常識人の皮を被ったヤバい人っていいですよね……凄い好みです。
さわやかさがめちゃくちゃ胡散臭いんですが、それを声で表現する中の方凄いな……!
 
ヤバいとはいえもちろん(っていうか)ろりこんというわけではなく、同い年の彼女がおいでになります。
乙女ゲーの攻略対象としては、ガチ彼女持ちって結構珍しい感じでしょうか。そうでもない?
でも、多分この人、彼女のこと別にそんなに好きじゃなくて、上っ面で付き合ってるんだろうなー。(失礼)
 
急用が入った彼女の代わりに一緒にお出かけとか、家庭教師と生徒にそぐわない行動が過ぎてご近所の噂になり、中学生編のラスト近くで文月母に釘を刺されてしまうわけですが、文月母の警戒は実に正しいと思います。
 
特にマカロンの下りですよ。
時雨先生、そこで色気出すの反則だろ……!
文月ちゃんが時雨先生にマカロンを渡そうとするシーンがあるんですが、時雨先生ときたら、フォークを受け取るんでなく、口で直接マカロンを受け取り、挙げ句「すごく甘い」とかおっしゃる。

……あああ、この反則さを表現しきれる文章力がない……!
 
とにかく、中の方の演技がスゴいのもあって、ちょっと背筋がぞっとするぐらいの色気があります。
私普段ルートやエンドの分岐以外のセーブって取っておかないんですよ。中断するときのセーブはすべて上書きしてしまいますし。でも、このシーンだけは、セーブ残してしまいました。
それまで、若干のヤバさは漂わせつつも、基本的に良き先生だった時雨先生が、急にそんな色気出してきたもんで(しかも中学生相手に)、びっくりして余計に衝撃的だったという理由もあるとは思いますが。
 
私、年上キャラが好きな割に、子供扱い系の溺愛が好きじゃないというよく分からん嗜好持ちなのですが、時雨先生はアリでした。
で、よく考えてみたんですが、子供扱いの中でも、私がダメなのは幼児扱いみたいなヤツらしいということが判明。
自分の嗜好の分析ができて、乙女ゲーって興味深いよなと思います。
 
時雨先生には、「仲の悪い、ほとんど他人の弟」がいるらしいので、ますみんと兄弟なのほぼ確定ですかね。
 
青年編
えー、冒頭のシーンで、文月ちゃんだけでなく私も「えっ」てなりました。
 
中学生編で文月母に釘を刺されてから、時雨先生は文月ちゃんと距離を取っていたはずなんですけれども。もちろん、付き合ってたりは全くしていないはずなんですけれども。
何の前振りもなく、指輪用意していきなりプロポーズとか、時雨先生上級者すぎる……何で文月ちゃんの指輪のサイズ知ってるの……!? ねえ……!
兄弟(推定)そろってお前らァ……て感じです。でも、徒野君は同棲で時雨先生は結婚なので、兄の方が一枚上手ですね。
 
それでOKしちゃう文月ちゃんも大概ですけども。まあ、私がOKの選択肢選んだからなんですがね!
 
……と思ってたんですが、何だか時雨先生、思ったよりまともでしたね……?
中学生編の時にいた彼女のことも、ちゃんと気にかけてたみたいですし。
 
青年編のストーリーとしては、文月ちゃん(新妻)が夫の昔の女に嫉妬する話 です。
新婚旅行の検討をするために入った旅行代理店で、櫻井夫妻の担当になった人が例の昔の彼女でした、ということで、「大人の女」な彼女と自分を比べて、時雨先生には自分よりも彼女の方がお似合いだ、と文月ちゃんは不安になるわけです。
 
ええと、正直、文月ちゃんの不安感がウザ(自重)
少女漫画で百回くらい見た展開だよこれ……きちんと腹割って話し合えば一瞬で解決できる典型例ですよね。
まあ、よく見る展開なだけに、文月ちゃんの不安は理解は出来ますけども。
 
文月ちゃんの不安をあおったのが、時雨先生が例の彼女と二人で会っているところを見かけたことなんですが、ハッピーエンドでは、それは新婚旅行で文月ちゃんへのサプライズをするために、例の彼女に相談に乗ってもらっていたのだ、ということが判明いたします。
でも、サプライズのためにわざわざ店舗以外の場所で会う必要あります……?
この理由付けは、ちょっと残念でした。
 
ハッピーエンドは、あの時雨先生とは思えないほど(すごく失礼)ラブラブ平和なエンドでした。
 
ハッピーエンドじゃない方(多分バッドエンド)の方が、時雨先生のヤバさが出ていて良かった(?)と思います。
そして別に文月ちゃんが心配しているようなこと(例の彼女と浮気)はないと思う……
というか、「別れたいのか?」みたいな選択肢に「うん」て答えてるのに、なぜ婚姻関係継続してるんですかね……?
そう考えるとやはり怖いよ時雨先生……
 
文月ちゃんが時雨先生への当てつけ(?)っぽい感じで緑ヶ島組の皆さんとの飲み会に参加するエピソードがあるんですが、その時雨先生視点シーンの、「早く帰ってこい」と呟く台詞のうつろさが超良かったです。
 

エドワード学園ルート

中学生編
黒い、黒いぞ、時雨先生が黒いぞ……! これでこそ時雨先生ですね!
 
エドワード学園側でも、そこそこ一緒に外出してたと思うんですが、緑ヶ島側みたいなご近所の噂にはならなかったんですね。
まあ、デートスポットとか人目が多い場所とかにはあまり行っていなかったこともありますし、緑ヶ島側より聖エドワード側の方が、時雨先生がうまく立ち回ったんでしょうかね。エド側の方が時雨先生が黒いので、なんかそんな気もする……
 
そしてやはり彼女とは上っ面で付き合ってたんだな……緑ヶ島側の時雨先生と別人格ってわけではないので、やはり緑ヶ島側の時雨先生も上っ面だったんだろうなあ……
彼女は自分の部屋に上げない発言といい、次の彼女(文月ちゃんを示唆)の写真は飾ろうと思う発言といい、初回プレイ時の印象通りの時雨先生の姿がここに! と思いました。
この人ヤバイヨ……ヤバすぎて大好きです。
 
しかし、中学生編ラストの交通事故はちょっといただけないですね。
時雨先生の下に駆け寄るのはいいんですけど、道路を横断するときは! 左右を確認します! でしょうが。頼みますよ文月ちゃん。トラックドライバーが可哀想です。
 
時雨先生が、文月ちゃんがヒロインを務める映画のスタッフに徒野君がいるということを知ったのはそんなに遅くなかったのに、中学生編での遭遇ありませんでしたね。
 
青年編
最初のあたりは緑ヶ島側と共通なんですね。
でも、こちら側では文月母に釘も刺されていないですし、中学生編後もずっと一緒にいたということなので、唐突なプロポーズも緑ヶ島側に比べれば許容できる感じでしょうか。あと、時雨先生が緑ヶ島側よりヤバいですし。
まあ、付き合ってないのは一緒なんですけどね!
 
結婚式のスチルで、時雨先生の衣装が、緑ヶ島側は白だったのに対し、こちらでは黒で、なんか不吉さを暗示しているなあ、と思いました。
 
ここに来てようやく、時雨先生とますみんの関係が明らかに。異父兄弟、ということみたいです。
うーんうーん、時雨先生が憎むような理由をますみんは持っていないと思うんですけど……二人の母親が、ますみんを産んでから更に精神のバランスを崩し、そのために命を落としてしまったみたいなので、その辺が理由なのかなー……?
そして徒野君が時雨先生を嫌う理由もあんまりないような気はするんですが、それは向こう(時雨先生)が嫌ってるんだから、こっち(徒野君)が好く理由はない、ということなんでしょうかね。
 
本人ルートではないからなんでしょうけども、徒野君が凄くまともに見えました。
まあ、さらっと嘘つくところは相変わらずですけども、その辺は、分かりやすい伏線張ってあるんだから気付けよ文月ちゃん、という感じでした。
 
しかし時雨先生マジ時雨先生ですね。
文月ちゃんを少しでも傷付けた(物理・精神問わず)人間を次々潰していく(物理とか社会的にとか)とか、あなた本物ですよ……(嫌な本物)
きっとこれまでも文月ちゃんが気付かなかっただけで、時雨先生に潰された人、何人もいるんでしょうね。そしてそれをするために警察官になったとか、ホントにもう、
ヤバい。
 
時雨先生がヤバいのは物凄く理解してるんですが、文月ちゃんを自分だけのものにしたいわけじゃない、自分の翼で羽ばたいて欲しい、ゆえに文月ちゃんが望むなら自分は文月ちゃんから離れる、というところが、なんか凄くいいなと思ってしまいました。凄く好きなタイプのヤンデレ……
結構似た兄弟ではありますが(ヤバさが)、囲い込もうとしないところがますみんとの違いですかね。
 
まあその「離れる」の意味が「この世から」ということなのは物凄くどうかと思いますが。
アナザーエンドでは、潰し活動をやめて欲しい、と頼む文月ちゃんから離れるため、時雨先生は自ら命を絶ってしまいます。

これ、時雨先生はこうするしかなかったんでしょうか。なかったんでしょうね。
文月ちゃんが、もうちょっとうまくソフトランディングさせてあげられれば……とも思いますが、さすがに酷か。時雨先生の闇が濃すぎる……
 
そして、ラストはどう解釈すればいいんでしょうか。
私は、文月ちゃんが時雨先生の死にショックを受けて精神が壊れてしまい、夢幻の住人となってしまった、と解釈したんですが。
ループではないでしょうし、ますみん的な「世界」というのも、ちょっと解釈する上でのスムーズさに欠けるかなあと。
 
もう一つのエンド(多分ノーマルエンド)、時雨先生の潰し活動を追究しなかった場合の世界ですが、何だこの平和感……なにお子さんの数の相談とかしてるのよ君達……
でも、この裏で時雨先生は文月ちゃんを傷付けた人への潰し活動を続けてるんですぜ。
そう考えると、薄ら寒いエンドですね。
とっても時雨先生らしいと思います。
 
私は緑→エドの順でプレイしましたが、逆だと凄く薄ら寒い気分になりそうですね。
緑ヶ島側の時雨先生、あれだけ常識人の皮を被ってても、本質はアレですからね。
まあ、文月ちゃんの交通事故はなかったので、潰し活動はしていないんでしょうけど、今後同じような事故とかに遭遇したら、開いちゃうかも知れないわけですからね、時雨先生のパンドラの箱が。
……ところで、文月ちゃんの飛び出しに遭ったトラックドライバーはどうなったんでしょうか……潰されてますよね、確実に……
 
緑ヶ島側でもありましたけど、時雨先生の独り言のうつろさが物凄く好きです。あと、吐息での笑い声も超良いと思う……
 
キャストコメントで、佐藤さんがひたすら「これは愛です」みたいなことを言っていて、なんか笑えました。