kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

クランク・イン 感想6(徒野真澄)

個別キャラ感想

感想5からの続きです。

徒野真澄(cv:小野友樹

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エドワード学園。
(私の中で)年齢詐称疑惑のある少年。年齢不相応の落ち着きと余裕と交渉能力(って言うか)を持っている。
 
とりあえずヤバイです。
 
いや、深入りしなければ年齢不相応の落ち着きと余裕と包容力のある魅力的な少年、で済むんですけどねえ。
 
各攻略対象の人柄が見える、「文月ちゃん機材ぶっ壊し事件」ですが。
徒野君の取った行動は「金とコネで解決」でした。
つまり、父親の部下に電話して、ぶっ壊したハードディスク(高価)と同じ型番のものを買ってこさせ、メインのハードディスクからデータコピーした上ですり替えて証拠隠滅、という。(文月ちゃんが壊したのは控え用)
文月ちゃんが止めようとするのを口先で丸め込んで黙らせ、しかもそのことを村雲君達にも秘密にする、というアレさです。
 
いやまあ、村雲ルートで何の抵抗もなくナチュラルに盗撮してた時点で、徒野君がアレなのは分かってましたけどね。
 
そしてどういうわけか、アレな徒野君は文月ちゃんがお気に入りで、文月ちゃんも徒野君に惹かれていくわけです。
で、どうやら徒野君が生きている世界は他の人の世界と違うらしく、文月ちゃんに「こっち側」に来て欲しいらしいとのこと。
文月ちゃん、コイツやめといた方がいいよ……と物凄く思いました。(私がそう仕向けているからなんですが。)
いやまあ、中学生男子にありがちな子供っぽさが皆無という時点で、惹かれるに決まってるだろ、というのはよく分かりますけども。
 
そんなことを言っていたにもかかわらず、徒野君は父親にやりたい放題をとがめられ、英国のパブリックスクールに放り込まれる……という感じで中学生編は終わり、青年編に続くのですが。
 
文月ちゃんと徒野君は留学中連絡を取っておらず、徒野君から文月ちゃんに帰国の連絡もなし。なのに突然再会して言われる言葉が、「一緒に暮らそう」ですよ。
 
「は?」です。「は?」以外の感想が出ませんでした。
だって中学生編でも明確に恋人同士になったわけではないですし、その後全然連絡取っていなかったんですよ?
徒野君、ヤバいにもほどがある……
それにOKしちゃう文月ちゃんも文月ちゃんですが。
 
その後も資力と倫理観のずれにものを言わせまくる徒野君の姿が見られまして、文月ちゃんに一体この子を更生させられるのか……と不安を覚えました。
 
あまりにももったいつけるので、徒野君の「世界」って「黄昏の百合の骨」(恩田陸)的な世界なのかと思っていたのですが、人生うまくいきすぎで現実感がなく、まるで「映画の世界」のように感じられる……ということだったようなので、ちょっと肩すかしを食らったというか、まあ難易度は下がったかなと。
それにしても、文月ちゃんプレゼンツの「荒療治」程度で何とかなる「世界」なのか……うーん……
でも、「荒療治」で本当に屋上から転落するとは思わなかったので、そこは非常に斬新だったと思います。
 
あと、ハッピーエンドのキススチルは大変良いと思います。あの角度、なんか好きです。
 
2周目以降の徒野君視点で、どんな深刻な雰囲気醸し出されても、結局アレで解決なんだもんなあ……と思うと、何か半笑いになりますね。
どうも中二病をこじらせちゃった人ぐらいの感じに見えてしまうので、もうちょと深刻な歪みだったら、もっとますみん(キャストコメントより)も魅力的に描けてたんじゃないかなあと思うと、ちょっと残念です。
 
文月ちゃんの女優の才能の程度が気になる……
ハッピーエンドでは大人気女優になってたようなので、才能はあるのかな。
となると、劇団員設定ガン無視のルートが物凄くもったいなく感じますね。
 
アナザー側のルートは、もう、何をどうしても徒野君を救えないんですね。
アナザーエンドでは、文月ちゃんが徒野君の「世界」に取り込まれてしまうわけですが、他の二つのエンドでは文月ちゃんは徒野君から逃げ出してしまうんですよね。
あの、「もう離さないよ……」状態から、同棲を取りやめてもらえただけでもすげーなとは思いますが。屋上から飛び降りる以外で徒野君を更生させる方法はないんですか……?
 
アナザー側では、徒野君と時雨先生に何らかの関係があることがほのめかされます。
まあ、中学生編でもそれっぽい描写はありましたけども。
でも、「後で説明する」と言ってたけど、結局どういう関係なのかは説明されませんでしたね。
文月ちゃんが時雨先生のことを説明するときに「お兄さんみたいな」と言ったのに反応してたので、兄弟とかなんですかね?
 
パブリックスクール時代に起こしたますみん傷害事件が、本当にくだらなすぎてちょっと引きました。
そんな「むしゃくしゃしていたのでやった」みたいな理由、往年の「キレる子供」も真っ青じゃないですか……
被害者の子が可哀想。トラウマもんですよね、これ。
 
随所で猛威を振るうますみんの資力について、「投資家の仕事をしてるから」とか言ってましたが、そもそもその原資はどこから来てるんでしょう……
語られてないですけど、中学生編の頃から、株とか土地とか転がしてたんでしょうね……その利益が原資なのかなあ(イメージ)
 
徒野君は、この尺で扱うにはちょっと設定盛りすぎだと思う。1エピソードでどうにかなるようなものじゃないですよね、これ。
彼の「世界」に関しても、本来なら文月ちゃんだけではなくて、彼が心を許している(という設定の)村雲君や忍君との関わりの中で解決すべきだったのだと思います。
あと、徒野君の「世界」がどんなものなのかが、彼の口から語られるだけなので(それも「映画の世界」という抽象的な感じで)、現実味がないし、全体的に消化不良感がありました。
もったいない。いいキャラしてるのに、本当にもったいないと思います。
 
まあ、共通ルート時点で、「生徒組で一番ヤバイ」と思ったのは当たっておりました。
中の方もキャストコメントで「コイツやべーよ」みたいにおっしゃっておりましたし。
 
徒野君(の中の方)の歌う、エド側のオープニングテーマが凄く好きです。(歌詞と曲調が合ってないけど)