Collar×Malice 感想6(その他)
感想5からの続きです。
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ゼロについて
攻略対象ではないですが、ある意味攻略対象よりも重要な存在である(乙女ゲーなのに)アドニスの首領・ゼロ氏についてちょっと感想を記しておきたいと思います。
冴木弓弦(cv.小野友樹)
主人公の同僚であり、アドニスの教祖・ゼロ。
「冴木弓弦」として市香ちゃんに接する彼は、大変いいやつなんですよね。微妙に発言が不穏(=アドニスっぽい)だったりはしますが……
柳ルート(真相ルート)で、市香ちゃんが、自分の知っている「冴木弓弦」と「ゼロ」のギャップに苦しむのはよく分かります。
なので、この見せ方は大変良かったと思います。
で、以下、ちょっとした文句なのですが。
ゼロ氏は、超能力レベルのエンパシー能力者(受信専門)という理解で良いのでしょうかね。
これまでのルートを通して、凄くカリスマ性のある人物のように描かれていましたが、柳ルートで姿を現した彼は、正直、そこまでのカリスマ性は感じませんでした。
彼の何に惹かれて、アドニスにそんなにたくさんの人が集まってくるのかがよく分からない……
彼もですけど、アドニスのNo.2・御國氏もよく分からないんですよねえ。
御國氏の語る理想が、百歩譲って理屈は理解するにしても、他国のことを全く想定していないように思うんですが。
それが、アドニスの理想に現実味をなくし、感情移入できなくなる要因の一つではないでしょうか。
ゼロ氏は教祖ですし、理想だけで突っ走っても良いのでしょうけど、御國氏は事務方トップ的存在で、しかも政治家でもあるのに、なぜ「理想が叶ったあとのこと」を全く考えていなさそうなんでしょうかね?
ストーリー的には、もっとゼロ氏に感情移入出来るようにしないといけなかったのではないでしょうか。
そうじゃないと、ゼロ氏とアドニスが、単なるわけの分からない屁理屈を掲げた悪役でしかなくなってしまう。
「Collar×Malice」というこの作品は、法治国家ではかなえられない別の正義の形、を描きたかったのだと思っていたのですが。
その体現者たるゼロ氏を、もう少し理解できる形で描いてくれれば、そのことがもっと伝わったと思うのですけど、どうなんでしょうか。
それともこれは私の考えすぎで、ゼロ氏とアドニスは単なる悪役として在れば良いのか……
それはとにかく。
現在のゼロ氏が、悲しみを感じすぎて心を動かしにくい状態になっているのだとしたら、そうなるまでの彼のむき出しの感情を描いて欲しかったです。
そのあたりが非常に残念でした。
あと、「ゼロ」は14番に対しての「ゼロ」、つまり工作員達を束ねる存在という意味なのかなー、と思ってましたが、別に関係ないっぽいですね。
というわけで
「Collar×Malice」の感想でした。
非常に力を入れて丁寧に作られている作品だというのは分かりましたが、個人的にはちょっと引っかかるところが多かったです……
とはいえ、萌え上がったキャラ(主に白石さん)もおりましたし、全体的には面白かったです。
好きな攻略キャラの順番は次の通りです。
白石景之>柳愛時>榎本峰雄>笹塚尊>岡崎契