軍靴をはいた猫 感想4（シェド）
個別キャラ感想
感想3からの続きです。
シェド（cv.石川界人）
異国商猫にして捨て猫。
グッドエンドよりノーマルエンドの方が好感度が必要という、乙女ゲーにしてはかなり意味不明のしつらえ。
でも、グッドエンドとノーマルエンドを逆にしなかったのは、物凄い英断だと思う。
ストーリー的には、黒幕の手先であるシェドに誘拐された姫様が帝国（黒幕の所在地）に連行される話。
姫様を逃がさないために、姫様はちょっとあほの子になってるし、和国や帝国の猫たちは脇が甘くなっているなあと思います。
シェドのアジトに監禁？ されている姫様に対して、シェドが「逃げてもいいけど、逃げたら他の猫たちを殺すぞ」みたいなことを告げるエピソードがありましたが、あのエピ入れたのは悪手じゃないですかね……
シェドがわざわざ「夜まで帰ってこない」と告げて出て行っているわけですから、姫様いったん逃げ出して、助けを呼んでから何食わぬ顔で戻っていれば何ら問題ないんでは……
それに、もしもシェドが姫様の動向を監視していて、一度でも外に出たらアウト判定されるんだとしても（わざわざ外出のふりをする意味が分からないが）、ユズがシェドの店兼アジトまで来てくれるというカモネギ展開があったのだから、そこで接触すれば良かったのにねと思います。
なのに、わざわざ身を潜めてユズ達に気付かれないようにするって、姫様の行動が意味分からないよ……そしてユズ達も甘すぎるよ……
帝国への密入国後、シェドが怪我をするエピソード。
熱を出して動けないシェドを前に、姫様はいったんは逃げ出そうと考えるものの、「熱が下がるまで側にいてから軍猫を呼んでこよう」と思い直すわけですが。
いや、熱出てるからこそ早く猫を呼ぶべきだと思うんですが。とっとと軍猫呼んできて、シェドを治療＆拘束してもらった方があらゆる猫のためになると思うんですが。
ところで、姫様がシェドに誘拐されたときに近くまで一緒に来ていた女官。
彼女は一体なぜ賊の正体を証言しなかったのでしょうか。賊が「シェドという和国城出入りの異国商猫」ということが分からなかったとしても、風体の証言ぐらいは出来ると思うんですが。
なので、この女官黒幕の手のものなのかなーと思っていたのですが、最後まで特に触れられなかったので違うんだろうな。
単に遠目で風体すらも分からなかったと言うことなんでしょうか。
なんにせよ、国王暗殺事件あったばかりなのに、和国城ザル過ぎぃ……
恋愛は……ほぼなかったと思って良いですよね？
あったとしても、ストックホルム症候群＆リマ症候群もどきのような……
ノーマルエンドは両症候群が強めに出てしまっていましたが、グッドエンドでは姫様が引きずり込まれずに自分を貫けていたので大変良かったです。……まあ、バッドエンドかと思ったけども……
この種の関係性として、乙女ゲームにおいては非常に良識的な話であったと思います。
こういう、殺人の駒として育てられたキャラは好みのはずなんですが（二次元に限る）、シェドはそうでもなかったですねえ。
駒というか、信者（黒幕の）っぽかったからですかねえ。
あと、黒幕に捨てられてからもアイデンティティの揺れがほぼなかったのが残念でした。
黒幕に捨てられてからの姫様との交流を長めに描いて欲しかったなと思います。
