kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

幻奏喫茶アンシャンテ 感想5(ミシェル・アレックス)

個別キャラ感想

感想4からの続きです。

ミシェル・アレックス(cv.赤羽根健治

幻奏喫茶アンシャンテ(ミシェル・アレックス)

コーヒーをこよなく愛する魔王様。

チート級の力の持ち主であるが、冗談好きで穏やかな性格。

 

共通ルートと、これまでの4人のルートをプレイする中で、「ミシェルは本当に魔王なのか?」という疑いは持っていました。

ミシェルは、口では「強権により圧政敷いちゃってる」みたいなことを言うんですけど、なんか為政者っぽい雰囲気がないんですよねー。

それに、カヌスやイグニスと違って「魔界アスモディアの魔王」というのはミシェルの自称しか情報がない状態ですし。いやまあそれはイルの「天界カエルム出身の天使」も同じではありますが、イルは見た目が完全に天使ですしねえ。

あとは、おそらくミシェル関係の話であろう追加プロローグで描かれる世界が、ミシェル情報によるアスモディアとは似ても似つかない世界であることも。

それに、ミシェルはずっと何かを隠している感じがありましたよね。

 

が、ミシェルルート冒頭の、魔王様のお言葉を伝える側近による、魔王様の声真似が凄くミシェルっぽくて、「あれ、ミシェル本当に魔王だったりするんだろうか……」と思ってしまった。側近さんの中の人プロの仕事だな……

まあ、言ってる内容は全然ミシェルっぽくないんですけどね。

 

魔族の皆様、側近さんも含めてボキャブラリーが面白すぎる。スライム3匹衆とか特に。

あれはアスモディア共通語を日本語に翻訳する際の特徴ということなのだろうか。

もっと魔族の皆さんを見たかったなあ。

ミシェルが力を暴走させて魔王城もろともアスモディアの半分を灰に変えたとき、魔族の大半はアスモデウス(魔王(真))の婚礼準備のために別地区の会場で作業をしていたので無事だったらしく、大変良かったなと思いました。面白ボキャブラリーが失われなくて。まあ、ちょっとかなりとてもご都合主義っぽかったけども。

 

共通ルートで、琴音ちゃん渾身の泥水(コーヒー)を、常連の皆さんの中でミシェルだけは温かく受け止めてくれた件、あれは琴音ちゃんに入れてもらった初めてのコーヒーのことを思い出して感慨にふけっていたのだな。

ところで当時のちび琴音ちゃんコーヒーと今回の泥水は、どちらの方がおいしかったのでしょうか?

 

凛堂ルートの「人と人外の違いとは?」が丸々伏線になっていました。

異世界にいる人外は、かつて人間界から異世界に渡った人間が数万年の間に環境適応した姿ということでしたけども、各世界独自の知的(とも限らないか)生命体は誕生しなかったのでしょうか?

獣界ベスティアの界喰狼の伝承だと、魔獣と人間は別個の存在として描かれていたと思うんですけど……というか、海魔も豪角も人間由来なの……? 100歩譲って人身牛頭の豪角はともかく、ほぼアザラシな海魔も……?

界喰狼は魔獣と人間の両方を食らうことで覚醒完了する、みたいな設定上、ベスティアには現地独自の魔獣と人間由来の魔獣の2種類がいると考えた方が、つじつまは合うと思いますが。

 

ゲートとか箱舟とか、設定上の伏線的にはイル→ミシェルの順番でプレイするのが良いと思いましたけれども、人と人外について、という視点からだと、凛堂→ミシェルの順番でも良かったかな、と思います。

「人と人外はそんなに違わないと思う」みたいなミシェルの言葉は、人間由来という人外の成り立ちを知るがゆえの事実と、自分に降りかかった運命の両面からのものだったのでしょうね。

ミシェルの過去を知ってからだと、凛堂ルートでのミシェルの言葉は、初回何も知らずにプレイしていたときとは全く違う印象になるんだろうな。

 

もう1人の終わりの世界の住人であり世界そのものでもあるノア。その全てを灰に変える能力は、琴音ちゃんには及ばないように出来るみたいでしたが、それならなぜこの数万年間起動しっぱなしだったんでしょうかね?

灰化能力をOFFすると、灰にはしない代わりにもれなく世界に取り込んじゃう という設定でもあるのか……?

だとしても、ノアは全てを灰化してしまう(ミシェル以外)ことによる数万年間の孤独で狂いかけていたわけですし、試しちゃいそうな気がしますけどねー。

 

それにしても、ミシェルが無理矢理人間に戻される展開は意外の一言であった。

凛堂ルートで人外→人間の復帰の難しさを散々描き、「結局、誰もが皆与えられた生命で生きていくしかないのだ」という結論を見せていただけに。

共通ルートでちょこっと出て来た人間風ミシェルの立ち絵、他ルートで全く出て来ず、いつ使うんだ……と思っていたら、こんな展開で使うのかよ! という感じです。

 

最強チート魔王様から無力な人間に戻されたミシェルの無力感は察するにあまりありますが、生粋の人間であったからこそ、ノアによって終わりの世界にさらわれた琴音ちゃんを探しに行ける、という展開は大変良かったです。

 

あと、琴音ちゃんが人外化してしまい、最後まで(もちろんハッピーエンドであっても)人外のまま、というのも意外な展開でした。

乙女ゲーに限らず、普通の創作物だったら日和っちゃうというか、何かと理由をつけて人間に戻してしまうのがお定まり展開だと思いますが、それをしなかったところに信念を感じて強い感銘を受けました。

感想ブログさんなどをいくつか拝見しますと、この結末、否寄りの賛否両論っぽいですけど、私は安易に人間に戻ったりしない展開で心から良かったと思いました。

 

それにラストのミシェルと琴音ちゃんの状態、すっごく萌えません……!?

「世界」という曖昧な状態になってしまっている琴音ちゃんが、ミシェルの観測によって初めて実体(人間体?)を立ち上げることが出来るんですよ!?

ミシェルの五感だけが、琴音ちゃんの輪郭を確定させることが出来るんですよ!?(第六感的なものも活用しているのかも知れませんが)

そう考えると、若干えろい感じもするような気もしないでもないですよね!

まあとにかく。

あー、萌える。死ぬほど萌える。

 

私は基本的に、「転生したら前世とは別人」派なのですが、生まれ変わっても琴音ちゃんに会いに行くというミシェルの言葉にはさほど違和感を覚えませんでした。

ミシェルは実績が実績ですからねえ。灰化と孤独の数万年を戦い抜いてきた彼の精神力なら、普通に根性で前世の記憶を持ち越しできそう……

 

というわけで

「幻奏喫茶アンシャンテ」の感想でした。

いやー、いいゲームだった。

みんないいキャラしてますし、世界観についての考察もはかどりますし、展開が攻めに攻めてますし。

それだけに、安易な判断で通常版を買ってしまったのが非常に悔やまれる……特典SSとかにありがちの各ハッピーエンドの後日談が凄く読みたかった……特に凛堂ルートとミシェルルート。

 

Switch移行後のゲームでほとんどFDが発売されていないのが気がかりではありますが、この「幻奏喫茶アンシャンテ」は是が非でもFDをプレイしたい……!

是非ともよろしくお願いします。

 

好きな攻略キャラクターの順番については、

 

ミシェル・アレックス>凛堂香>イグニス・カリブンクルス>カヌス・エスパーダ>イル・ファド・デ・リエ

 

かなあ。みんな好きなんですけど、強いて言えば。

 

ミシェルのチートっぷりがあまり披露されなかったのがちょっとだけ残念でした。

(本人ルートに期待してたらあの展開だし……)

 

 


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