オランピアソワレ 感想3(縁)
個別キャラ感想
感想2からの続きです。
縁(cv.内田雄馬)
黄泉にある湯屋「死菫城」の主人。職業的な情報力により、黄泉のみならず地上にも隠然たる影響力を有している。「紫」の生き残り。
悠然としているように見えて、意外と情緒不安定でねちねちしている。手先が器用。
Q. あなた(白夜)の魂の半身はいかほどおいでになるんですか?
A. 少なくとも6人と思われる。
……共通ルートで1つも選択肢がないまま個別ルートに入り、結構すぐにそれぞれの攻略対象とあっさり恋に落ちているので、何か余計上記のようなことを考えてしまう……
いつのまにそんな関係性育ててたんですか? という感じです。
「魂の半身」設定は、ちょっと悪手だったのではないでしょうか。「互いに心から愛し合ったとき……」ぐらいでも十分だったような気がするんですけどねえ。
残りの攻略対象3名の中で、魂の半身じゃない人がいたら……いいな……
ということを、縁が「自分が交配禁止にされたので、自分の魂の半身の人がいたら、独りにさせてしまうんだな……」みたいなことを言っていたので、思いました。
白夜の例によると、魂の半身って何人もいるみたいだから心配しなくても大丈夫だよ!
ストーリー的には、縁の過去の因縁について、みたいな感じです。
前半でうだうだ悩んでいた交配禁止の件も過去絡みですし。というか交配禁止の件は割とあっさり片付いていましたけども。
うーん、「紫」の男が、昔「白」の女に殺されたという件は必要だったのだろうか。
縁が、死にたいのか生きたいのか自分でもよく分からないという思いを表現するためだったのかも知れませんけど、別にそんな因縁持ち出す必要はなかったんではないかなという気がします。
メインとなる過去の因縁である縁の姉が命を落とした件ですが、どうも全体的に「青」が悪者にされがちですよね。縁姉の件の前に出て来た、黄泉在住の桝花ちゃんに強引に言い寄る「青」の男の件もそうですけど。
縁姉の件は、安易に「青」の前長・吾紺氏を悪者にしすぎだと感じました。
これまでのルートで、回想はおろか、ほとんどキャラ同士の会話の端にすら上らなかったぽっと出のキャラに全ての悪徳を押し付けて、珠藍大姉や叉梗医師に自虐? 偽悪? のポーズを取らせることで、より一層事件の責任を吾紺氏に押し付ける描き方はいかがなものかと思いました。
死者に口なしだからね、としか。
性犯罪の被害者を悪く言う気も加害者を庇う気もありませんけど、これは「お話」ですし、加害者とされる吾紺氏が既に亡くなって(殺されて)いるので敢えて言いますけども、本当に吾紺氏1人が悪かったんでしょうか? 縁姉は最悪の事態になるまであらゆる意味で抵抗や逃亡の余地は全くなかったんでしょうか? 誰も縁姉の様子がおかしいのに気付かなかったんでしょうか? 「青」の一族は、吾紺氏に対して世継ぎを設けよというプレッシャーを与えていなかったんでしょうか? 吾紺氏と縁姉の間には、全く何の感情もなかったんでしょうか?
そういう諸々を全てスッ飛ばして「つまり吾紺が悪い」的なことを言われても、へーそーですかーという感じです。で、珠藍大姉と叉梗医師は加害者(吾紺殺しの)という名の被害者なのね。はいはい可哀想可哀想。
あと、それはそれとしても、「紫」の一族に剥の病が蔓延して滅亡したのは、そうなることを知っていたのに自死した娘(縁姉)の遺体を弔わずに放置していた「紫」の長夫妻のせいじゃないですか……
恋愛的には、親切でミステリアスな縁に白夜が惹かれるのは分かるし、そもそも小さい頃につながりがあるというのが良いジャンプ台になっていたと思います。
縁は、白夜が鈍感なことを言うとすぐトゲトゲしたり、白夜を殺そうとしたかと思えば殺されたがったり、分かりやすい表面的な事象にしがみついたりするのが、立場や見た目に反して意外と情緒不安定で子供っぽいと思いました。……こんな情緒不安定な人に弱み握られている人、本当ご愁傷様である。
まあ人格形成過程のあれこれもありますし、20歳なら実際結構そんなもんかなという気もする……
悠揚なふうに見せかけて情緒不安定って、同ライターさんの「ニル・アドミラリの天秤」の紫鶴さんに印象が重なりますね。
「紫」なのになぜ名前が縁なのか、紫要素どこ? と思ってちょっと考えてみたんですが、もしかして
紫→ゆかり→縁
ということなんですかね……
あと、「縁」と「緑」を頻繁に見間違えて困りました。