kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑綺譚 感想1(鵜飼昌吾、汀紫鶴、星川翡翠、鴻上滉)

はじめに

ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑綺譚」は、初めてプレイした乙女ゲームだったので、乙女ゲームのイロハを色々勉強させてもらいました。
初めてのくせにCERO:Dに特攻した理由はパッケージ絵の雰囲気に惹かれたからなのですが、その顛末は以下の通り。
攻略順は、鵜飼昌吾→汀紫鶴→星川翡翠→鴻上滉→鷺澤累→尾崎隼人→???。
声優さんの氏名は敬称略です。

ストーリー概要

主人公は没落した子爵家令嬢・久世ツグミ。弟が「稀モノ」という特殊な本の影響を受けて焼身自殺(未遂)したことがきっかけで、稀モノを収集・管理する通称「フクロウ」という公的機関に就職することに。
箱入り令嬢だった彼女はフクロウの皆さんやそれ以外の皆さんに手助けしてもらいつつ、職務を遂行していく。
そんな中、彼女は稀モノの闇オークション等を行う闇組織・通称「カラス」の存在を知る。

みたいな感じで、カラスを潰したり潰さなかったり攻略対象とイチャイチャしたりする話だった気がする。(うろおぼえ)

個別ルート感想

鵜飼昌吾(cv:木村良平

伯爵家(だったはず)の跡取りで現首相の息子で帝大法学部在学中という超ハイスペック男子なのですが、中身は分かりやすいツンデレ。生温かく見守らせていただきました。
それにしても大学生ってマジか……せいぜい中学生だろ、この子の言動。

鵜飼君のルートで一番疑問だったのは、「絶対についてくるなよ!」という捨て台詞を残して去って行く彼のことを、誰も追いかけてあげないこと。(何回かあった。)
お坊ちゃまで、多分普段は使用人がわんさか側にいる生活をしてるんだろうから、本気でついてこないでほしいと思って言っているのかもしれないけど、乙女ゲー主人公的には、そこは追いかけてあげるべきでしょう、ツグミちゃん。

隼人が「父親の力は君の力じゃない(意訳)」と諭してあげるシーンがあるのですが、隼人のまっとうさと強さ、それゆえの残酷さががよく出ているなと思いました。隼人の素性を知った上だと特に。

ツグミちゃんはいわゆる聖女系主人公に分類されるのだと思いますが、鵜飼君ルートでは「箱入りお嬢ならまあ……」という程度のアレさに収まっていたんじゃないかと思います。(やめろと言われているのに勝手にサービス残業してる件は除く。)
なので、ツグミちゃんは優しく一生懸命で、好感持てる主人公だな、と思っていました。まだこのときは。

ニルアドで初めて迎えたエンドが鵜飼君の中途バッドエンドなのですが、訳の分からんうちにバーン(銃声)→死亡となっちゃうところが、とてもADVらしくて良いなと思いました。

汀紫鶴(cv:鈴村健一

大人気恋愛小説家。恋愛において、心中が至上の幸せと考えている。遊び人で、攻略対象の中で一番年上(ゲーム内で言われていたはずだが、自信がない……)。

プレイする前は、紫鶴さんが一番好きなキャラになるんじゃないかな、と思っていたのでちょっと期待しすぎてしまったのかもしれないんですが。
もっと余裕ある大人キャラを期待していたので、唐突に人の話を聞かない系の理不尽嫉妬かましてきたあたりで「うーん……」となってしまいました。
いや、この件はツグミちゃんも悪いんですけどね? 事件現場に近づくなと言われているのに、他の男(鷺澤君)とほいほい行っちゃダメだろ……。でも「行きたくない」系の選択肢を選ぶとハッピーエンドフラグがぶち折れる理不尽。

紫鶴さんがどうしてツグミちゃんのことを好きになったのかがよく分かりませんでした。遊び人に見られているけど実際は結構真面目、みたいなエピソードが入りましたが、いっそもうちょっとガチで遊んでた方が聖女系に入れ込む落差が出て良かった気がする。ガチ遊び人は乙女ゲー攻略対象としては地雷なんですかね?

恋愛面で良かったところは、ツグミちゃんを視線だけで自室に誘うところ。そしてそれに気づいちゃうツグミちゃん。ニルアド全体でかなり上位に来る好きなシーンでした。その後の目隠しはあほかと思ったが。
ツグミちゃんとの「私、死んでしまう」「何度でも殺してあげる」のやりとりは、ニルアドのベッドシーンで一番おいろけを感じました。

紫鶴さんが、心中が最も幸せと考えるに至ったエピソードが語られるかと思ったけどなかったね。残念。

星川翡翠(cv:逢坂良太

フクロウの同僚で唯一の年下。パイロキネシス能力持ち。ツグミちゃんも「稀モノのアウラが目視できる」という能力持ち(サイコメトリーの一種らしい)なので、能力者仲間でもある。

そもそもの好みとしてショタはあんまり……なので、期待値上げずに臨んだのですが、それでも「うーん……」でした。というか、「君は一体何様なの?」と画面に問いかけてしまった……
「あなたは誰も好きにならないでいてください」「きれいなままでいてください」みたいなことをことあるごとに言われるのですが、ただの同僚にそんなこと言われてもって感じである。
まあ、思春期ゆえの潔癖さ、遊女の息子で女郎屋育ちという生まれ育ちからの反動的な潔癖さのコンボで性的なあれこれを厭うのは理解できるのですが。それを他者に押しつけられても困ると思うんだ。聖女ツグミちゃんですら困っていたし。

という背景があるので、思いが通じ合った後、ツグミちゃんから誘うのは理解できました。でも翡翠君の「上手にできると思います」には笑うしかない……自分でハードル上げるとは、よっぽど自信があるのですなー。

自分の容姿を嫌う翡翠君に鷺澤君が言った「人間皮一枚下はみんな同じ(意訳)」は良かった。個人的に、ここが鷺澤君が一番輝いたポイントじゃないかと思う。(本人ルートを差し置いて)

目的があるとはいえ、仲間の誰にも言わずに敵地に一人で通うという、ツグミちゃんのお花畑さが目立ったルートでした……この辺から主人公ちゃんの性格が苦痛になってきた。

鴻上滉(cv:岡本信彦

フクロウの同僚。あまり他者と馴れ合わない割に血が苦手だったり映画見て泣いちゃったりする可愛らしい一面を持つ。実はカラスから送り込まれたスパイ。

カラスがらみのシナリオでは一番好みでした。滉の立ち位置がおいしすぎるからそれは仕方ない。
それと、ツグミちゃんと距離を縮めていく過程が「少女漫画かよ!」という感じでとても良かったです。
ぽろっと「危なっかしくてほっとけない」と言ったのをツグミちゃんに「えっ」とか言われて、はっと気づいてぶっきらぼうに「危なっかしいのは本当だろ」とか言う会話にはなんかキュンキュン来た。どんな王道か。

ツグミちゃんがカラスにさらわれ、「裏切り者がいる」と教えられて戻ってきた後、そのことを相談された滉が「裏切り者は俺だ」と白状してツグミちゃんを押し倒すシーンがあるんですが、滉、何で急に頭パーンしちゃったんだ……黙っとけばばれないのに……あとゲロるにしても押し倒す必要がどこに? 殊勝な態度取っとけば懐に入り込めるだろうになあ、とゲスプレイヤーな私は思うわけです。
でも後半で、カラスのボスな異母兄にツグミちゃんを取られたくない一心だったんだな、というのが分かって良かったです。滉は生い立ちの割に純粋ボーイでした。というか、生い立ちがアレだから純粋培養でああなったということかな。

ツグミちゃんにカラスボスから脅迫状が届くエピソードがあるのですが、フクロウの上司の朱鷺宮さんが、「こんな脅迫は忘れた方がいい、脅迫状は燃やしてしまおう」と言って本当に燃やしたのにはものすごく驚いた。脅迫の証拠隠滅するとか、実はカラスのスパイは滉というのはフェイクで、真のスパイは朱鷺宮さんなんじゃ……というところまで一瞬で心配したのですが、結論から言うとそんなことはなかったようで。
これに限らず、ニルアドのキャラは皆さん、嫌なこときれいさっぱり忘れすぎじゃないですかね……

仲間のみんなが心配だからといって、脅迫に乗って敵地に行っちゃうツグミちゃんに閉口させられたルートでした。

滉のシステムボイスが、自虐とツグミちゃんへの依存が強すぎて心配になります。
「選んでくれたのは嬉しいけど、本当に俺でいいのか? つまらないと思うけど」
とか、
「何する? 俺はあんたと一緒にいられるなら何でもいい」
とか。
強く生きろ、滉……!