kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

ニル・アドミラリの天秤 クロユリ炎陽譚 感想4(鵜飼昌吾)

個別ルート感想

感想3からの続きです。

鵜飼昌吾(cv:木村良平

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ストーリーは、鵜飼君の許婚問題+華族令嬢連続殺人(屍姦付き)事件+オカルト稀モノ問題 みたいな感じでした。
 書いてみると盛り沢山ですね。
 
プレイ後の率直な感想としては、「頑張れ鵜飼君、お前がナンバーワンだ(前作からの成長率)」です。まだ2人残ってますが、多分成長率ナンバーワンの座は動くまい。
あと、「警察は……無能なのかな…‥?」ですかね。燕野君頑張れ、超頑張れ。
 
というわけで、4人目にしてようやく攻略キャラを心から応援できました。
鵜飼君はいい子だな!
学生ゆえ、立場ゆえの甘さや無力感も描かれはしますが、現実と、自分の望みと、ツグミちゃんの意志の狭間で足掻きつつも自分なりに折り合いを付け、前を向いて進んでいこうとする鵜飼君は格好いいと思います。このルートのツグミちゃん、将来有望な良い男を捕まえたなー(社会的地位や財産的な意味ではなく)
 
単なる学生がそんなに公的機関の業務に首突っ込んでいいのか? という疑問はありますが、まあフクロウだし。「ニルアド」だし。
 
ストーリーについては、盛り沢山の割に全てが何かしら関係していて良かったと思います。
本筋(?)の華族令嬢殺人事件は相変わらず「何でフクロウが首突っ込む?」という感じはあるにせよ、被害者の亡霊が書いたとおぼしき稀モノが絡んでくるのでセーフ……なのか……?
 
そう。亡霊です。幽霊云々だけでもアレなのに、幽霊が書いたそうです。稀モノを。
幽霊ってペン持てるんだ……?
個人的なイメージとしては、幽霊って精神面への影響力で人にとりついたりして何とかする感じが強いので、直で物理的影響力行使してくるとは……と思いましたが、昔から子育て幽霊が飴買いに来たりする話もありますし、そこは別にいいのか。
 
それはともかく。
ツグミちゃんが亡霊嬢にとり殺されそうになったり(亡霊嬢はツグミちゃんを苦しめたいわけではなく、不可抗力らしいですが)、バッドエンドでは鵜飼君もとりつかれたっぽい感じになっていたりと、これまでの「ニルアド」のストーリー傾向からすると、オカルトに傾き過ぎじゃないですかね……と思いました。
 
元々、稀モノとか超能力者とか出てくるファンタジー(もしくはSF)世界観ではありますが、それでも「ここまではアリ、ここからはナシ」という枠組みってあると思うんですよね。
このルートのオカルト事件は、暗黙で示されていたこれまでの枠組みを逸脱しているように感じました。
 
鵜飼君の許婚問題については、錐合澄蓮嬢がぽっと出てくるわけですが、このルートの錐合嬢って、男装の人気女優・錐合蓮嬢とは別人なんですかね?
鷺澤ルートの錐合嬢は、例のセンシティブな問題を抱えていたわけですけれども、このルートの錐合嬢はあんまりそれっぽいことを匂わせてこないですよね。
男嫌いっぽいところがそれなのかなー。
 
今まで両親の意向に逆らってお見合いを蹴りまくっていた錐合嬢が、今回の鵜飼君との話に限って「両親の意向に従うのが華族の娘の務め(意訳)」みたいなことを言っており、君何言ってんの? となりました。
まあこの矛盾が何かの伏線なのかなー、と思っていたんですが、特に何もなかった……そして登場人物が誰一人としてその矛盾を指摘してくれない……
プレイヤーの疑問を代弁してくれるキャラって大切ですよね!
 
そんなこんなで鵜飼君の同級生・雀部君が連続殺人の容疑者に浮上するわけですが、この世界の警察は……無能なのかな……?
 
被害者の亡霊が書いた稀モノは証拠にならないから雀部君を逮捕できない、と困るフクロウの皆さん。
でも、別の被害者令嬢は雀部君と交際していたってことなんですけれども。殺された日も、交際していた人に会いに行ったそうなんですけれども。
被害者令嬢は家の人には雀部君との交際を隠していたということですが、その偽装工作も華族のお嬢さんがテキトーにやったレベル。
これ別に亡霊の書いた稀モノなんぞに頼らなくても、お嬢さんの交友関係洗えば普通に雀部君にたどり着くでしょ……
両親は家の体面を気にして捜査拒否したということですが、これを足掛かりに亡霊嬢とか他の被害者令嬢の事件捜査すればいいんじゃないんですかね?
 
その雀部君も、錐合嬢の証言とも言えない証言のみで「強姦未遂確定」扱いされていて、何だかなあと。まあ、実際事実だったんでしょうし、フクロウ内部だけでの話に留まっていたので、そんなに気にしてはいけないんでしょうけども。プレイ中、MeがTooな問題が華やかだったので、若干微妙な気持ちになりました。
 
ツグミちゃんに関しては、仕事を続けたい気持ちと鵜飼君への気持ちの間でぐだぐだ悩むのがちょいウザでしたが、最終的には自分で判断して鵜飼君ときちんと話し合うので、まあ良かったかなと思います。
とはいえ、「ファーストレディ」名乗る気なら、フクロウなんかやってる余裕ないんじゃないかなあ……と。余計なお世話ですかね。
 
それにしても、この時代、総理大臣夫人のことをファーストレディって呼んだんでしょうか?
明治憲法下の総理大臣って、国務大臣の「同輩の首班」でしかない、と習ったような……遠い記憶……
まあでも国内で使うわけではなく、外交上の呼び名なら、この時代でもそうなるんでしょうかね。
 
あれ、おかしいな……そこそこ楽しくプレイしたはずなんですけど、突っ込みどころばっかり出てくる……
ええと、翡翠ルートで期待していた鵜飼君と雉子谷さんのあれやこれやは期待通り楽しかったです。
前作でアレだった雉子谷さんを再び側に置くという鵜飼君の決断については、作中で触れられていたのであまり気になりませんでした。
「プレイヤーの疑問を代弁してくれるキャラ」の件もそうなんですが、私にとっては「分かっていて敢えてやっているのかどうか」が、突っ込みどころになるかどうかの分かれ目のようです。
 
上でも書いたように、鵜飼君がスーパー成長を遂げていて、鵜飼君に関しては安心して見ていられたので、書くべきことが思いつかないんですな。いい意味で!
書くとしても、いい子、器大きいイケメン、雉子谷さんとのコンビが面白い、そして可愛い、なのでツグミちゃんは鵜飼君を困らせるのやめなさい、ぐらいですねー。
 
というか、ここまで褒めちぎっても「ニルアド」好きキャラランキングで鵜飼君が1位にならない自分にびっくりする……