kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

剣が君 百夜綴り 感想メモ4(彼岸花の書(過去編)、江戸菊の書)

感想メモ3からの続きです。

彼岸花の書 第六編、第七編

九十九丸の実の家族がいかにして離散し、そして九十九丸が反魂呪の産物となったか。九十九丸の知らない九十九丸の過去の話。……というより九十九丸父・八幡氏の話でした。
 
本当に、「百夜綴り」における八幡氏の存在感が異常である。
 
九十九丸ルート幸魂時空。
一番真っ当に過去を振り返れる時空ですね。
他のエンドの時空は過去の反魂呪の影響が全開で残っておりますから……
 
第六編は九十九丸の師匠の、第七編は八幡氏の視線で語られます。
九十九丸、記憶喪失ですのでね。
他の皆さんの過去編は、当然ですが本人視点だったので、結構描かれ方が違う感じで新鮮でした。
 
具体的には、御本人(九十九丸)の出番が少ない……九十九丸個人の書なのに……メインヒーローなのに……!
 
ですが、本人視点ゆえの自虐? 韜晦? がない分、ちびっこ九十九丸のいい子さ可愛さはとってもよく出ていたと思うんです。そう思いたい。
 
そして、小さい頃から剣が大好きだった九十九丸は、本当にいいなあ……!
過去を振り返っているこの時空が、幸魂エンドの先にあると思うと、なんか非常に皮肉を感じます。
本編幸魂エンドで九十九丸が剣の道を手放し、料理茶屋の若旦那に収まっていること、そして九十九丸が、あの九十九丸が(2回言った)、剣の道を手放す理由が語られていないことにものすごく抵抗があると思っているので。
幸魂アフターで何かしら理由に触れてくれたりするんでしょうか……
 
でも、あれですね。100%九十九丸が本編で見たときより格好良く思えてきました。見慣れたから?
マレビト融合九十九丸と顔立ちは同じはずなので、本来格好いいに決まってるんですが。
というか、九十九丸、100%になっても色白ですね。香夜ちゃんより白い。ちびっこの頃から白いので、生まれつきなんでしょうね。秋田美人ならぬ岩手美人か。
 
八幡氏は盛岡城御前試合で一番刀になり、天下五剣・鬼丸国綱を授かります。そして蓮台野を守護することになりますが、忙しすぎて家に帰れなかったり八幡氏に嫉妬するとある武士に嫌がらせ(っていうか)を受けたりで、妻・いちさんと離縁した上、一時剣の道から離れて修験者として山ごもりをすることに。
 
一番刀の本来の役目が黄泉路の守護であり、天下五剣は妖怪を封じるための刀ではなく、現世と常夜の境界を守り、ひいては日の本全てを守るための刀……って、あれ、これ初出ですよね? 本編では出てこなかった設定だと思うんですが。
そういう設定なら、江戸に天下五剣集まりすぎじゃないですかね。黄泉路のニライカナイとかって、守ってる一番刀いるんでしょうか? 多分琉球とか九州とかのあたりですよね。
 
八幡氏は一番刀として、上記のごとく大切なお役目を担っているわけですが。盛岡城下ではなく故郷花巻の質素な(推定)家に親子三人で住んでおり、お役目で八幡氏が家を離れている最中に、残された妻子が襲撃を受けます。
何で妻子に護衛の一つも付けてもらえないんでしょう……田舎侍への嫌がらせの一環? と思いましたが、そういうわけでもなさそう。嫌がらせの主体は江戸城に仕える御家人ですし、八幡氏を管轄しているのは盛岡城・伊達藩ですからねえ。
となると、妻子の身を保障したはずなのに襲撃を許したのは、独眼竜の不手際ということになるんですが。
 
八幡氏に反魂呪を教えた修験者って、高尾山の天狗・カルラだったんですね……
九十九丸がアレになってしまった元凶はお前かー!
でも、そのおかげで和魂エンドが発生したと思うと……若干よくやったカルラ! と思ってしまう……ほんと、ゲスプレイヤーですまん、つづらん……
 
八幡氏、特に問題なく「神降ろし」できるタイプの一番刀のよう。剣の実力はもちろんですが、五剣適性も高いんですね。
適正と、ちゃんと一番刀のお役目を果たす意志があるという点において、某剣聖より優秀な一番刀……あれ、その点に着目すると、縁さんも剣聖より優秀ということに……
 
というかカルラ、天下五剣が日の本全てを守る刀って知ってるなら、本編鈴懸ルートで数珠丸の扱いひどすぎじゃろう。奇魂エンドの数珠丸堀ポチャはともかく、幸魂エンドで鈴懸が「妖怪を封じる刀を世に置いておきたくないから数珠丸預かっといて!(意訳)」って言ったときにちゃんと教え諭してあげなくちゃならないんじゃないですか。
 
ところで九十九丸母・いちさんですが、どうやら八幡氏と離縁した後、江戸で暮らしているようなんですけど、今後どこかで出てくるのかな。立ち絵もフェイスアイコンもなかったけど。
 
「天下五剣」の発音が気になる……本編では概ね「てんがごけん」って発音されていたと思うんですが、「百夜綴り」では今のところ、一律「てんかごけん」なんですよね。
個人的には本編準拠の「てんがごけん」の方が時代感が出ているような気がして好きです。
 

江戸菊の書

脇役たちの物語、とのこと。全十三編ありますが、ピックアップで参ります。

第一編

九十九丸ルート時空ですかね? 家光公が蓮台野の異変を解決し、鬼丸国綱を回収して帰る話。
 
5年前で家光公が三日月宗近の主ということで、「ん?」と思いました。
が、5年前の時系列って、つまり、
 
九十九丸死亡→反魂呪→家光公蓮台野で大活躍→縁さん水戸城御前試合出場→家光公から縁さんに三日月宗近移行
 
の順なのですかね。
何だろう、ものすごいイベントイヤーですね……
 
この家光公大活躍を見ていると、実彰さん、奇魂エンドで常夜の門の内側に入らなくても閉じられたんでは? と思ってしまう。
まあ、多分、家光公は五剣適性が高くて、実彰さんは低めなんでしょう。
 
家光公は蓮台野でマレビトと戦うことになり、当然のごとく「神降ろし」を駆使するわけですが。
ええと、「神降ろし」の「神」ってマレビトなんですよね? マレビトの力を借りてマレビトと戦うって、よく考えなくても逆に不利なんじゃないでしょうか。
と思ったんですが、何とか家光公が勝利してマレビトを常夜に押し戻すことに成功しており、なんかマレビトの自分内好感度が上昇いたしました。
マレビト様は本当に懐の深い神様ですね。
 
家光公は体力の限界なので三日月宗近の新しい主を探すことにしたとのこと。
縁さん、本編和魂エンドで、三日月宗近の所有権を家光公に戻してるんですよね……鬼畜じゃな、縁さん。
 

第十二編

柳生三厳さんがあらゆる手を駆使して、城から抜け出した縁さんを探す話。
 
縁ルート和魂時空ですね。
 
なんか、天下の柳生十兵衛に何やらしとんのかと。
 
しかし、縁さんのハイスペックさが如実に表れてる話というか何というか。
半蔵さんが伊賀忍の力を使って探しても見付からないって、すごくないですか?
だから、ほんと、縁さんは自分に自信を持ってほしいです。
 
和魂時空の話で言っても、もはや遅しですが……
 

第十三編

螢さんの子分・かむろが江戸に来て螢さんの子分になる話。
 
螢ルート奇魂時空。
 
あれ? てっきりかむろが螢さんに座敷童バレする話かと思ったんですが、違いましたね。いつ、どういう経緯でばれたんだろう。
 
螢さんは、本当に面倒見がいいですよね。縁さんに対してが顕著ですけど、ぶちぶち文句言いながらも世話焼いてくれる螢さんが大好きです。
 
話の終盤は金さん無双でした。金四郎さんは粋でいなせというか、本当に格好いいと思う。
「剣が君」で一番いい男は金さんなんじゃなかろうかと疑っています。
奥さんが見てみたいなー(既婚前提)
 

第七編

天狗のカルラと天下五剣の長い長い関わりについての話。
 
九十九丸ルート荒魂時空。
 
ああ良かった、荒九十九丸が剣の道に邁進しているの見られて、本当に良かった……!!
これで安心して九十九丸の荒魂アフター見られます。
これ、「江戸菊の書」のラストにとっておいて正解でした。
 
とはいえ、内容はほぼ九十九丸に関係なかったわけですが。
 
カルラは左京さんの先祖とともに天下五剣を作り上げた陰陽師の一族だったらしいです。だから天下五剣の機能や役割について詳しかったんですね。
 
人間のときの名前もカルラだったのはちょっとびっくりしました。カルラって、仏教の迦楼羅天、鳥の神様由来ですよね、多分。なので天狗になって翼が生えたことに由来した名前なのかなと漠然と思っていたので。
あと、とうとう仮面を外したお顔がご開帳されましたが、ごく普通のイケメンだった……
 
カルラが鈴懸経由で九十九丸(と香夜ちゃん)を高尾山に呼び出すのですが、その理由が九十九丸を見極め、そして「彼岸花の書」過去編で八幡氏から預かった九十九丸へのプレゼントを渡すためということでした。
 
辞書によると、鬼丸国綱は前の主を失った後、主を選んでいないとのこと。
なんか、いつか鬼丸国綱は九十九丸を主に選びそうだよねと思いました。
……正直、荒九十九丸が幸九十九丸みたいに剣の道を降りてたらどうしよう……とびくびくしていたのですが、剣の道を歩み続けているのなら、いつか一番刀になれるでしょう、九十九丸ならば。
 
九十九丸が、マレビトに飲まれなかったのは香夜ちゃんのおかげと言っていましたが、奇魂エンドは、あれ、香夜ちゃんのおかげ(せい)でマレビトに飲まれてるから。
良くも悪くも香夜ちゃんの影響力すごいなあ。主人公ちゃんですからねえ。
 
一番びっくりした件。
 
つづらん「カルラ?」
すずかけ「高尾山に住む、天狗だよ!」
 
鈴懸が、説明 を 覚えた……!