kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

剣が君 百夜綴り 感想メモ7(二輪草の書2)

二輪草の書

感想メモ6からの続きです。

第十五編

縁さんと鈴懸。忠犬コロの飼い主を鈴懸が一緒に探してあげる話。
 
とにかくコロがかわいいです。わんっ。って何ですか、わんっ。って。
 
動物と話せる鈴懸の特性が出ていて良かったです。
コロが飼い主との馴れ初めについて、聞くも涙語るも涙な話をするのですが、それが全部ホラ話というね!
鈴懸の特性あってこその構成じゃないでしょうか。
 
飼い主=縁さんの、というか縁さんの中の方の「えっ、本当にコロの言葉分かるのか? コロ、余計なこと言わなかっただろうな……いやお前その話大嘘だろ?」みたいな、戸惑い→ハラハラ→呆れの表現と流れがめちゃくちゃ良かったです。
置鮎さんの声と演技大好きだなあ。
 
わんっ。と答えるコロのドヤ顔が目に浮かぶ……
犬は飼い主に似ると言いますが、縁さんは若干コロに似た方がいいかもしれないな、と思いました。
主に図太さの面で。
 

第五編

螢さんと左京さん。一番刀となった螢さんと復讐鬼左京さんが決着をつける話……と思いきや、螢ルート奇魂エンドの大団円の螢さん視点でした。
 
本編感想にも書きましたが、螢ルート奇魂エンドのエンディングで、一芝居打った面々の中に、しれっと左京さんがいるのが疑問でした。あれだけ鬼という種族を憎み、鬼バレ後の螢さんにもきつく当たっていた左京さんでしたので。
ここでその補完がされて良かったです。
 
螢さんと左京さんが対峙して、特に劇的なことがあったわけではありませんが、あの短い会話で左京さんが自分の感情と人生を捧げてきた仇討ちに区切りを付けたんだなということがよく分かる話だったと思います。
 
そして一芝居の主催者が左京さんだったとは……
きっとこれは、左京さんなりのけじめと激励(発破?)、そして祝福だったのでしょうね。
 

第二編

実彰さんと縁さん。実彰さんの手助けを受け、縁さんが奉納剣舞のリベンジ(本編縁ルート……)を果たす話。
 
この話の冒頭、香夜ちゃんが実彰さんと縁さんに「奉納剣舞が素晴らしかったんですよ!」みたいな話をしたときに、実彰さんと縁さんの反応がおかしかったんですよね。
実彰さんは何か動揺して、縁さんはにやにやしているという。
この辺で嫌な予感がしたんですけど、外れて良かったです。
これだけ縁さん贔屓の私ですら、「一番刀なら誰でもいいんだろ」とか言って実彰さんに剣舞押し付けるとか、本編縁さんならやりかねないと思ってしまうのがつらい……
 
香夜ちゃんが、三日月宗近大典太の持ち主を知らないみたいなので、パラレル時空ですかね。
だから、本編縁ルートで失敗した剣舞のリベンジというわけではないんでしょうけども。
 
やはり縁さんと実彰さんの関係性が大好きです。
本編開始前から顔見知りで、互いのネタバレ素性も知ってるって、攻略対象の皆さんの中で彼らだけなんですよね。
 
縁さんが一番刀で公儀隠密で次期将軍候補であること。
実彰さんが剣聖でかつては人斬りだったこと(あと多分隠れ切支丹なことも)。
互いに知っていて、かつ相手に知られていることを知っている。
本来の素性そのままで相対したら、これほどフランクに話すことは到底できないこと。
全て互いに承知した上で、敢えて単なる知り合いのように接する――というこの緊張感がたまらないのであります。
 
奉納剣舞をやりたくないから代わってくれよと縁さんが愚痴れるのは実彰さんだけですし、そんな縁さんが、本当は舞い手の役目を自分に押し付ける気なんて最初からなかったと気付けるのも実彰さんならではですよね。
 
香夜ちゃんを庇って負った怪我を押しても舞い手として舞台に上り、失敗覚悟で剣舞に臨むという縁さんの覚悟が立派だと思います。
 
で、あの本編の失敗は何だったんですか?
怪我とかではないんですよね?
荒縁さんとか「百夜綴り」縁さんを見てると、単なる練習不足とか二日酔いとかで失敗するとも思えないんです が。
本編(荒魂エンド以外)の縁さんだとあり得そうに思えるのが悲しいところです。
 
一人で舞うと腕の怪我により失敗するけど、もう一人の補助付きなら失敗しない動きってどんなだ……
 
愚痴ってるときに、縁さんが実彰さんに「剣舞に出てもお前だと分からないようにするから」とか言ってましたが、場を清めるには天下五剣使わないといけないんですから、大典太の持ち主知ってる人には必然的にバレバレですよね。
 

第十三編

九十九丸と左京さん。左京さんの寺子屋で発生したいじめ問題を解決するために、九十九丸と左京さんと香夜ちゃんが一肌脱ぐよ! という話。
 
左京ルート幸魂時空です。
 
本編感想で、経営が軌道に乗ったら結婚してくださいとか言われても、無料の寺子屋じゃ永遠に軌道に乗らないよね? と書きましたが、その補完がここで来ました。
そもそも完全無料ではなく、余裕のある家庭からは低額の謝金を受け取っているようです。
が、まあその程度では焼け石に水というか、経費と生活費を賄いきれるわけもなく。
どう解決しているのかというと、左京さんと香夜ちゃん二人で、内職で補填しているそうです。
えー……それって解決方法になるの? やっぱり永遠に軌道に乗らなそうですね。
うーん、これがいわゆるやりがい搾取というやつでしょうかね?
教師部活問題も真っ青なブラックさですな。
いや、自発的にやってるわけだから搾取とは違うか……な……?
 
内容については、九十九丸のマルチな才能がすげーなという感じでした。
剣も料理も大工仕事も障子はりも出来て、気が利く上に更に子供にも好かれるのか……
 
二人(九十九丸と左京さん)から同時に斬りかかられた香夜ちゃんが、薙刀でどんな捌き方したのかが気になります。
仕込みの模擬戦なので、もちろん動きは入念に打ち合わせたのでしょうが。
香夜ちゃん側でタイミングをずらして受けたのか、それとも香夜ちゃんはあまり気を遣うことなく動いて、九十九丸・左京さん側でタイミングまでコントロールしたんでしょうかね?
 

第七編

九十九丸と鈴懸。暴風雨により家が壊れた九十九丸と鈴懸と香夜ちゃんが一夜を共にする話(空間的な意味で)
 
九十九丸が滅茶苦茶良い人。そして鈴懸がまじ天使in天上のお花畑(ただし寝相が壊滅的(ラブコメ的?)に悪い)。
 
九十九丸は鈴懸といるとツッコミ役になりますね。食いしん坊と若干の天然で、基本的にはボケっぽいんですが。
 
この組み合わせも結構好きです。あと、九十九丸は縁さんとの組み合わせも捨てがたい。
なんか縁さんは結構誰とでも捨てがたいな……まあ私が縁さん贔屓だからなんでしょうけども、最萌えは九十九丸なんだけどなあ。
 
一夜を共にする家を貸してくれたのはお松ちゃんなのですが、お松ちゃんは本当友達がいのあるいい子ですね。そして本編プレイしてるときに思ってたよりかなりお嬢様っぽいな……「桜の書」でも思いましたが。
おうちは旗本とかでしょうかね?(御家人=貧乏という先入観)
 

第一編

九十九丸と螢さん。九十九丸のバイト先で盗難事件が発生し、九十九丸と螢さんが協力して事件を解決する話。
 
シナリオ的には、登場人物とキーワード並べれば大体犯人も盗品の隠し場所も分かりますよね、という素直な捕り物劇でした。
螢さんが岡っ引きの面目躍如とばかりに大活躍します。パラレル時空でしょうけど、香夜ちゃんとデート(っていうか)したりしてましたし、螢ルート寄りなのかな。
 
バイト先のご主人が九十九丸に対して、商売人向きだから侍やめてうちで働かないかと勧誘していましたが、それって九十九丸ルート幸魂エンドの補完なんですか……?
 
ところで、とんぼ玉とびいどろ玉を区別して書かれてましたけど、とんぼ玉ってガラス製ですよね? びいどろ玉と一体何が違うんだろうか。
 

第十編

九十九丸と実彰さん。香夜ちゃんの料理茶屋で昼食を振る舞われた九十九丸と実彰さんが、お礼に夕食を作る話。
 
九十九丸と実彰さんの料理対決かと思いきや、香夜父の仕組んだ婿入り対決だったのだ……(当事者二人は知らされていない)
 
料理茶屋に婿入りエンドのある二人ですね。香夜父、いつもは護衛の皆さんが何か雑用的なことを手伝うと、「お侍様にこんなことをさせて申し訳ない……」みたいな態度なのに、このシナリオはぐいぐい来てますね……
侍の定義がよく分からないのでアレですが、侍の身分を捨てさせて商人・料理人として婿入りさせるって、そんな軽いノリなのかね。
 
香夜父さん、彼らを婿にするにはかなり厳しい条件をクリアしなくてはならないのですよ? 下手すると娘と駆け落ちされたり(実彰さん)、娘もろとも死なれたり(九十九丸)するのですよ?
特に九十九丸は針の穴を通すようなきっついクリア条件ですよね……。
 

第四編

九十九丸と縁さん。御前試合にもう出ないと嘘をついた九十九丸の苦悩について、縁さんがスマートなアドバイスをする話。
 
九十九丸剣ルート時空なのかな……
縁さんのアドバイスを参考に、ちゃんと香夜ちゃんに「御前試合に出続けたい」と言えたみたいですし、マレビト力の発現もしていないみたいですし、剣でも君でもない、ということかも知れません。
 
ということで、本編の九十九丸がなぜ嘘をついたのかの補完でした。ここで補完を入れてくるということは、やはり疑問の声が多かったんでしょうかね?
 
義両親や周囲の人間が、九十九丸がちょっとでも怪我をすると血相を変えて心配したためにトラウマな感じになってしまった……というような話でしたが。
だから、せっかくそういう新情報(というほどでもないか)入れてきても、台詞で淡々と説明するだけじゃ響かないんですってばー。回想とか何かしら演出入れてください頼むから。
まあ、一応そういう事情だと理解はしました。納得はできませんが。理由を聞いても、嘘をつく必要があったとは全く思えませんが。
 
御前試合、マレビト力の発現なしで準決勝・斬鉄戦まで行けたようですが、鈴懸戦は実力勝ち出来たんでしょうか。マレビト侵食による体調不良なしなら、そこそこ勝負になる実力差なんですかね。
 
斬鉄戦も、本編ではマレビト力抑えるために動けなくなったところを滅多斬りにされて(ほぼ)終わりでしたけども、こちらも普通に動ければそれなりに行ける感じなんでしょうか。
 
最後の台詞「必ず帰るよ、キミの元へ」が奇魂エンドを連想させて物凄く怖かった……暗転→剣閃からのその台詞ですから、どうしても首カッ飛ばしを思い出してしまって……
 
縁さんが格好良かったです。どこまで冗談か本気か分からない物言いとか、実は有能なところとか、たまに見せる憂いがほんとたまらんです。
本当は滅茶苦茶強いですしね。
というか他の攻略対象の皆さんは、本人ルートで剣の実力が上乗せ気味に補正されてるなー、と感じるのですが、縁さんは逆に本人ルートで弱体補正されてる気がする……
 
縁さんが、九十九丸の代わりに料理茶屋の使用人になりたいみたいな発言するたび、「それはだめだ!」といちいち強く拒絶する九十九丸がかわいくて良いですね。