DAIROKU:AYAKASHIMORI 感想6(大団円)
ルート感想
当初からの懸念事項であったサクラタニの安定化の件が解決する話。
しのちゃんが命を狙われるのが発端で、皆で「なぜただの新人妖守が命を狙われるのか?」と考えていたところ、しのちゃんが初代妖守の傍流の血筋だったことが判明するわけですが。
共通ルートで、常磐室長が「サクラタニ安定のための儀式を行うことが出来る、初代妖守の傍流の血筋の術者を探している」という話をしていたので、普通に察せられていました。
伏線って大事ですね!
サクラタニ問題の解決という題材や、命を狙われる主人公(A)、主人公を巡る各陣営(といっても現状維持派と革命派の2つですが)の争い(B)みたいな各素材は良かったと思うのですが、Aの理由が非常にアレな感じだったり、Bも大して盛り上がらなかったり、AとBのつながりがあまり良くなかったりして、残念でした。
あと、自分が初代妖守の血筋と知ったしのちゃんが、儀式を行うことによるサクラタニの安定と、己の保身の間で揺れる描写がありましたが、これまで描かれてきた「秋津しの」というキャラクターからすると違和感がありました。
これまでのルートでの、若干自己犠牲を払ってでも妖とサクラタニを守ろうとするしのちゃんだったら、そこで迷ったりせず儀式を行うことを選ぶと思うんだけどな。
悪役が特殊庁関係者、全ルートコンプリート。
実行犯の総務課の人をそそのかしたのが、常磐室長か八雲君、という展開を期待していたのですが、やはりそんな素敵展開はなかったです。
大団円ルートとはいえ、攻略制限なしで、1周目からプレイできるルートですからねえ。そんなとんがったストーリーには出来ませんよね。
サクラタニの異変について、特殊庁が何か余計な手出ししてるんじゃないかと期待しておりましたが、全然そんなことはなかったですね……
まあ特殊庁のこのていたらくですと、手出しするとかそんなレベルに達してなさそうか。
というわけで
「DAIROKU:AYAKASHIMORI」の感想でした。
設定もキャラクターもいいと思うんですが、ストーリーとそれに付随するキャラクターや設定の掘り下げが浅いのが非常に残念でした。
もっと深掘り出来ることは出来るけど、やりすぎると収拾つけるのが大変だからこの辺にしとこう……みたいなお茶を濁している感が感じられてしまいました。
ちなみに限定版を購入したのですが(「幻奏喫茶アンシャンテ」の教訓)、附属の小冊子にかなり詳細で面白い設定が記してあり、物凄く残念な気持ちになりました。
なぜその設定を本編で生かさなかったんだ……
期待していた異界系公務員ネタもいまいち面白味に欠けました。
まあ、全ルート悪役が特殊庁関係者という時点で、そこに期待するのは間違いなのでしょう……
ところで、人間と妖の恋愛観の違いの件はどうなったの?
大団円ルートで、妖が人に恋することはないとか言っていたけれども、その他のルートを直視してから根拠を明示しつつ発言していただけませんかね。
好きな攻略キャラクターの順番は、キャラクターの掘り下げが浅いこともあって、正直そこまで好き嫌いを感じなかったのですが、強いて言えば次のとおりです。
悪虂王≧瀬見季継≧白月≧湫≧比良