kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑綺譚 感想3(???、その他諸々)

個別ルート感想

感想2からの続きです。

 

???(cv:緑川光

というか、フクロウ仲間の隠由鷹氏なのですが。もと久世家の書生で、ツグミちゃんと同じ「稀モノのアウラが目視できる」能力者。このルートは、恋愛云々と言うよりも、聖女ツグミちゃんが過去の呪縛に苦しむ隠氏を救って差し上げるのがメインストーリーでした。まあ、隼人の告白にまんざらでもない反応しといて、答え返さないまま隠氏と恋愛云々になったら、それこそ絶許ですから。
 
隼人ルートからの派生、本当にやめてほしかった。短くて十分なので、独立にしてくれていれば私のヘイトがこんなに溜まることもなかったんだ。まあその場合、続編だかFDだかをプレイする気にはならなかったかもしれませんが。
 
このルートで良かったのは、きれい事言う割にちょっとびびるとすぐに引いちゃってたツグミちゃんが、逆に踏み込んで隠氏と向き合おうという姿勢を見せたところですね。隼人ルートでストップ安だったツグミ株がちょっと上がりました。きれい事はやはり強いので、嫌いではないんです。きれい事言って生じる事態への覚悟もなく口にするキャラが嫌いなだけで。
 
それともう一つ、鵜飼君の株もちょっと上昇。焼身自殺引き起こす稀モノの作者について、「何か理由があるのかもしれない……」とか言うツグミちゃんに対し、鵜飼君は「どんな被害を引き起こすか分かっていてやっているなら法廷に立たせるべきだし、考慮すべき理由があるなら司法の場で情状酌量という形で加味されるべき(意訳)」と言うんです。初めて鵜飼君の法学部生らしいところを見た……! と思いました。その前に稀モノは証拠にならない(刑法上の罪じゃない)けど、何か特例でしょっぴけ的なことを言ったので相殺気味ではありますが。
 
稀モノが読んだ人に悪影響を及ぼした場合、その稀モノの作者に罪はあるのか? というのがこのルートの柱の一つでしたけれども、よく考えてみると、稀モノと「若きウェルテルの悩み」の違いが分からないなー、と思いました。まあ、稀モノの方が映像や音声が見えたり聞こえたりする分派手ではありますが(強制サイコメトリー?)、読者を傷つけるつもりで書いたんでない場合は、作者に罪はないんでしょうね。隠氏は分かっててやってるので、刑事罰の対象にはならなくても大変罪深いと思いますが。
 

久世ヒタキ(cv:村瀬歩

ツグミちゃんの弟君。攻略対象じゃないのでルートはないんですが、エンドはあったのと、実は一番闇が深そうなところに震撼したので感想を記しておきます。
 
第一印象は、というか最後の最後まで「十四歳にしては見た目も言動も幼いなあ……せいぜい小学生ぐらいでは?」程度にしか思っていませんでした。
何しろ隼人&???ルートで人質に取られた際に、脅迫電話の電話口で「姉さぁーん、助けてえ、殺されちゃうよお~」とか泣きながら言うぐらいですから。
まあ、初めてそれ聞いたときは逆に、「アレ、この子もしや真犯人氏の共犯なのか……?」と思ってしまいましたが。滉ルートの朱鷺宮さんの時といい、勘ぐりすぎだと自分でも思います。
でもそれぐらい信じられなかったんですよね。それなりの年齢の二次元キャラが人質にされて、脅迫電話でしゃべらされるとき、真犯人に狙われている大切な身内に対して「早く助けてえ」とか言います? 私は初めて見たかもしれない。「姉さんまで殺されちゃうから来ちゃダメだ!」とか言うのがセオリーじゃないですかね。どっちにしろ助けには行くんだし。
結果的には共犯じゃないどころか、???ルートのバッドエンドでは真犯人氏をブッコロ! でしたが……それはそれで幼い反応と言えなくもないというか何というか。
 
と思ってたんですが、「オ楽シミ」のヒタキ君の手記を見て戦慄しました。
ヒタキ君はマジでお姉さんと結婚したいらしいです。
手記にそれっぽいことは書いてはありませんでしたが、ヒタキ君の実年齢に対して明らかに幼い言動は、多分ツグミちゃんを囲い込んでおくためにやってるんじゃないでしょうか……手記の文体も幼い感じだったので、意図的にやってるんではなくて無意識にそう振る舞ってるということなんでしょうけれども。
マジ怖いです。
良い娘さん(もちろん姉以外の)に出会って更生してくれることを望む。
 

その他設定等について

感想の冒頭で申し上げたとおり、パッケージ絵の退廃的な美しさと、一応大正時代なので、エログロナンセンスな雰囲気(CERO:Dだし)とかその辺に期待したんですが、ツグミちゃんの精神が健全(というかきれい事というか)過ぎて全くそんな感じがなくて残念。滉バッドエンドの続きがあれば期待できそうかな……程度でした。
 
大正時代の雰囲気についても、共通ルート冒頭でフクロウの面々が「空気が読めない」を連呼し始めた時点で諦めました……。隼人の空気読まない言動は謝ってくれなくていいから、その分(一応)大正時代だという空気を読んでくれませんかね。
 
フクロウの業務についても疑問。公的機関な雰囲気が全くないのはともかく、業務の効率が悪すぎやしませんか。基本的に毎日すべての書店を巡回するみたいだけど、人数が全く足りない気がするんですが。
支部があるらしい情報は出てきますが、一部議員などから不要の扱いを受けている組織が、そんなに人数割いてもらえるものでしょうか。朱鷺宮さんの言動見てても、そんなに巨大な組織を統轄しているようには見えないんですよねえ……。それとも支部ごとに朱鷺宮さんレベルの管理職がいるんでしたっけ?(覚えてない)
 
とか文句ばかり言ってしまいましたが、楽しくプレイできましたので、やって良かったです。
フラグの立ち具合をすぐ確認できる親切システムで、ハッピーエンドもバッドエンドも回収楽々ですし、初心者向きなのかなと思いました。
あと、イラストはどれもとても美麗で良かったです。ツグミちゃんのやけに巨乳を強調する制服と鷺澤君やら葦切さん(隼人の先輩らしいが、何の先輩なのか不明)やらの不思議なところから紐やネクタイが出てくる服にも目を奪われましたが。が。美しさは理屈に勝るのだ……
 

最後に

好きな攻略キャラ順を一応書いておきます。
 
尾崎隼人>鴻上滉>鵜飼昌吾>汀紫鶴>鷺澤累>星川翡翠>隠由鷹
 
かなー……