kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

剣が君 for V 感想1(黒羽実彰)

はじめに

乙女ゲーム初心者なので、色んなメーカーさんの作品をやってみよう、ということで選んだ一本。
始めは、面白いは面白いけどそんなに大好きっ! て感じではないかなあ……と思っていたんですが、一ヶ月後にはめでたく萌え転がる状態に。
さすが人気作なだけありますね。

攻略順は感想ブログさんを参考に、
黒羽実彰→縁→鷺原左京→螢→鈴懸→九十九丸。

この作品の途中から、一人攻略するごとに感想をメモしておく形式にしたため(フルコンしてからだと最初の方を結構忘れるのだ……)、後の方の攻略対象のシナリオを知ってたり知らなかったりの状態での感想が入り乱れておりますのでよろしく。

声優さんの氏名は敬称略です。

ストーリー概要

江戸の町で料理茶屋を営む父親と二人で暮らす主人公・香夜は、柳生三厳と名乗る侍から、駿府へ嫁入りする徳川家の姫の影武者を務めてほしいと頼まれ、諸々の理由により承諾する。
危険を伴う任務のため、護衛として雇われたのは六人の侍たち。
山賊に襲われたり一行が分断されたりしながらも、なんとか主人公たちは任務を達成する。
そして江戸に戻った主人公は、護衛の侍たちに再会し、その生き様に巻き込まれたり自分から頭を突っ込んで支えたりしていく。

みたいな感じです。駿府到着までが共通ルート、江戸に戻ってからが個別ルートです。

個別ルート感想

黒羽実彰(cv:前野智昭

イメージ 1

隠れ切支丹。でもあんまり隠してない。(香夜ちゃん談)
恐ろしく腕が立ち、御前試合で三度「一番刀(=優勝)」になったことがあります。「剣聖」の称号を持つが、過去の出来事により、剣を振るうことを厭っています。剣の道を捨てて、東北に行って祈りの日々を過ごしたいらしい。

「剣聖」のエピソードが初めて出てきたのは共通ルートなのですが、そのときは「剣聖」=実彰さんだとはついぞ思いもしませんでした。(明言されるのは実彰ルート冒頭。)
九十九丸が語る「剣聖」の逸話の盛られっぷりが、同時代人というよりは伝説の人物みたいに聞こえたので、まさか目の前にいる人のことだとは。
逸話の「**回の真剣勝負で一度も傷を負わず」とか、「飯時に襲われたときは鍋蓋で応戦した」のあたり、おらほのヒーローその1塚原卜伝ぽい。実彰さんは茨城じゃなくて肥前国出身ですけれども。

彼のルートは、剣ルートも君ルートも、将軍家光に切腹を申し付けられた元駿府城主・徳川忠長を蘇らせようと画策する朝倉氏の陰謀を阻止するのがメインストーリーとなります。

奇魂エンド(剣ルート)

忠長復活のための邪術で開いてしまった常夜の門(ほっとくと江戸どころか日の本が滅ぶ)を天下五剣の一振り大典太で閉ざそうとする実彰さんですが、こちら側からでは閉ざせないと悟り、常夜へ渡って閉ざすことに成功。江戸と香夜ちゃんは守られましたが、実彰さんが戻ってくることはありませんでした……という話。

剣に向き合い、その腕と命を以て江戸と香夜ちゃんを救い、こう言っちゃアレですが死んだも同然なのでその腕を幕府に利用されて意に染まぬ剣を振るうこともない……ということで、案外これが実彰さんにとって一番救いになる結末なんじゃないかな、と思いました。
香夜ちゃんは思う人を亡くしてしまって可哀想ですけどね……

後日談は若干鼓&七重(朝倉氏に利用されていたカップル)がうざいな、と思ってしまった。香夜ちゃんは恋人亡くしてるんだから少しは自重しろよ?
実彰さんの刀にとりついている妖怪・ハバキ憑きが香夜ちゃんに見えるようになったのは、孫六兼元の所有権が実彰さんから香夜ちゃんに移ったという意味なんだろうか。ハバキちゃん、町娘が主でご飯(人間の血)どうするんだろ。実彰さんもしばらく人斬ってなかったはずだから、人間の血なくても生きてはいけるのかな。

ところで大典太はどうなったんでしょう。実彰さんが常夜に持って行ったっきり? 天下五剣が天下四剣になってしまう。

荒魂エンド(剣ルート)

とらわれの香夜ちゃんを救うために駿府の侍たちをバッサバッサと斬り倒す実彰さん。あれほど厭うていた人殺しをする、人の血にまみれる実彰さんを一人にしたくない、側に置いてほしいと香夜ちゃんは頼みます。それを支えに、実彰さんは幕府に仕官し、江戸を、つまり香夜ちゃんの安全を脅かす妖怪や人間を排除していく道を選びます。それが、消すことのできない過去への償いと信じて……みたいな話。

ゲスプレイヤーで申し訳ないんですが、このエンドが一番好きです。元々剣を捨てたがっていた実彰さんには一番つらい道だと思いますが。
才能を与えられた者は、才能の奴隷となり、才能を使い尽くすことに身を捧げてほしいなー、というのが私の基本的な好みなので。もちろん二次元に限るけど!

後日談は、ちょっと制作陣は鬼かと思ってしまった。香夜ちゃんの存在が荒魂エンドの実彰さんの支えなのだろうと思うのですが、実際に実彰さん絡みで香夜ちゃんの身に危険が及んだことで、実彰さんは香夜ちゃんと離れることを選びます。

これ、そのうち実彰さん発狂するんじゃないですかね……それでもまだハバキちゃんがいてくれて良かった、のでしょう。多分。

幸魂エンド(君ルート)

朝倉氏の陰謀を叩き潰した後、幕府の仕官の誘いから逃れるために江戸を離れる実彰さん。それに香夜ちゃんもついて行き、たどり着いたのは隠れ切支丹が住まう孤島でした、という駆け落ち&切支丹エンド。

あれ? 実彰さん、東北に行くつもりだったのでは? 切支丹島って東北じゃないですよね? イメージ的には九州っぽい。
というか、このルートで実彰さん、何で剣持って来ちゃったんだろう。それも元から実彰さん所有の孫六兼元だけでなく、幕府管理下にあるべき大典太まで。

まあ、二人が幸せそうなのでいいんじゃないですかね。和魂と違って、幸せと引き換えに失ったものがあるから、ご都合主義だとは感じませんでした。

どうでもいいんですが、隠れ切支丹が住まう孤島っていうと、連続猟奇殺人が発生しそう(偏ったミステリ読みのイメージ)。そうでなくても、管轄の藩が切支丹摘発とかしそうだなー、と思ってしまいました。

和魂エンド(君ルート)

朝倉氏の陰謀を叩き潰した後、幕府に口利きしてあげて、駿府城御前試合の一番刀・鼓さんに江戸の守りとして仕官してもらい、有事の際は協力すると約束しつつ、実彰さんは幕府の勧誘から逃れます。そして香夜ちゃんのお宅に婿入りして、料理茶屋の主人として働く、というエンド。実彰さんは料理上手です。

……うん……幸せそうではあるんですが。ちょっと薄っぺらく感じてしまったかなあと思います。
こうしてこうすれば四方丸く収まって幸せですよね! っていわれてるみたいでちょっと……イマイチだったかなあ……


というわけで

以上が四つのエンドの感想でした。
エンドの好みは、荒>奇>幸>和 ですね。

一つ突っ込みたいところ。実彰さんがイスパニア人の父のことを香夜ちゃんに語るシーンがあるんですが、それが以下の通り。
「今から十年ほど前、鎖国令が出された」
「それにより父は日の本にいられなくなってしまった」
「わたしが四つのときだ」
さて、実彰さんは今一体何歳なんでしょうか。

これもそうなんですけど、左京ルートで、「昨日(シナリオ追うと確実に三日以上前)」ってのもありましたし、暦年とか時系列ぐらい、ちゃんと管理してほしいの……