kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

KLAP!! ~Kind Love And Punish~ 感想6(隠しキャラ)

個別キャラ感想

感想5からの続きです。
 
隠しキャラの感想の書き方は迷いますね。ネタバレを謳っている当ブログで今更なんですが。
というかもう2017年まとめで隠しキャラの名前出しちゃってるんですが……いや、スタッフブログで攻略可なのが明言されてますし、いいかなーと思いまして。
とりあえずタイトルと見出しに名前出さないようにすればいいですかね?
 
といういい加減な感じで以下感想です。
 

隠しキャラ

イメージ 1
出雲紫苑(cv:杉田智和
 
主人公の先輩調教師。周囲には人間と思われていますが(明人ルートより)、果たしてその実体は。
 
その実体は……貧乏神……でした……
まあこの調教システムの下で攻略対象なので、絶対ただの人間じゃないと思ってはいましたよ。
 
ですが、幽魔飛び越えて神でいらっしゃるとは。
というか、このゴージャス系美形な容姿で「貧乏神です」って名乗られた時にはどんな顔すればいいのかと思いました。
 
貧乏神なので、近くにいる人間を不幸にするというスキル持ちで、しかも常時発動型のオートスキルなので自分でも制御不能であり、更に紫苑先生の心情的に親しい人間ほど強力に効果を及ぼすということで、このスキルと、「貧乏神」という役割からの解放、というのが紫苑ルートの軸になっていました。
 
貧乏神なのに貧乏にするスキルじゃないんですね。まあそれだとさすがにコメディになりすぎますしね。でも、やはりお金は苦手らしいです。
 
全体的に、紫苑ルートが一番諸々丁寧に描写されていると感じました。
暦ちゃんの実家が神社で、暦ちゃん自身も霊力的なものを持っているという設定が最も直接的に生かされていたと思います。
そもそも調教するのにも霊力的なものが必要っぽいので、全ルートで生かされているといえば生かされているんですが。
 
その暦ちゃんの持つ清浄な霊力的なものが、悪神に分類される紫苑先生の力を削いでしまう
→紫苑先生が力を制御できなくなる
→暴走(幽魔ではなく神なので、本来はしないはず)
→暦ちゃんの強力な退魔力(?)により調教してもらわなくてはならない
 
ということで、何か若干マッチポンプくさい感じではありますが(別に意図的に問題を起こしているわけではありませんが)、二人の秘密が始まる、という流れです。
 
暦ちゃんの口づけに、神をも降す超強力な退魔力(?)があることがこのルート(というか共通ルートの紫苑先生寄り選択肢)で判明するわけですが。
各キャラハッピーエンド後に解放されるおまけ要素で、自由に調教できるモードがあるんですが、そこで選択できる調教アイテムに、「キス」があるんですよね。攻略キャラの本編上の調教アイテムに全く出てこない(紫苑先生も含めて)ものなので、おまけならではのサービス要素なんだろうなー、と思っていたんですが。
紫苑先生の暴走を暦ちゃんがキスで抑えるシーンがあり、「あの『キス』はこのことだったのか……!」とちょっとかなり感動いたしました。
こういう小技が利いた感じ、凄く良いと思います。
 
ちなみにキス調教は紫苑先生だけに有効というわけではなく、普通の幽魔の皆さんの調教にも使えるそうなんですが、これまでの時空で暦ちゃんと結ばれた生徒の皆さんの健康が心配です。神ですらああなのに力奪われ放題じゃないですか。
 
といいますか、紫苑先生暴走しすぎじゃないですかね……
「幾度となく口づけしている」みたいな地の文があるんですけど、「幾度となく」って……紫苑先生、暴走放題の亮君のことぼろくそ言ってましたけど、人のこと言えんでしょう……
 
冷静で皮肉屋でドSな紫苑先生が暦ちゃんに心を寄せていくのが凄く良かったです。
距離を縮めていくのも、バーで飲みながら暦ちゃんの愚痴を聞いてくれるのであったり、お祭の出店で飲みながら他愛のない話をするのであったり……あれ? 飲んでばかり?
いや、まあ飲んでないときももちろん、毒舌で皮肉屋でドSなのに、同僚としての事務的な関係の合間に優しさを見せたりとか、大人の男女ならではの距離の縮め方という感じで、その辺はやはり生徒の皆さんとは違う魅力がありました。
……おかしいなー、生徒の皆さんも壮介以外は大分年上なんですけどねー。
 
しかし、貧乏神の悲しい性で、紫苑先生が暦ちゃんに心を寄せるほど、暦ちゃんに不幸が降りかかってしまう状況に。
暦ちゃんのために、暦ちゃんから離れなければならないというのが分かっているのに、それが出来ない。自分の心が暦ちゃんを求め、一緒にいたいと願うのを制御することが出来ない、という紫苑先生の葛藤とか、苦悩の吐露とか。
カミルの感想で「もっと本能に振り回されてむき出しの感情見せてみろ」みたいなことを書きましたが、自分、イケメンの苦悩が大好物のようですね(今自覚した)
天使キャラの苦悩が好きな自覚はありましたが……元からなのか対象が拡大したのか。
 
ともあれ、紫苑先生には幸せになってほしいと思わされました。
 
あと、日向先生にも不幸が降りかかっている描写が、紫苑先生と日向先生の関係を示唆していて良かったです。
 
貧乏神は人間から、ある言葉をもらえると貧乏神から解放される、というのを紫苑先生は本能的に知っている、ということで、暦ちゃんは紫苑先生と一緒にいてその言葉を見つけようと決意するのですが、降りかかる不幸が洒落にならないレベルになってきて、紫苑先生はとうとう暦ちゃんから離れる決断をします。
 
その決断のきっかけとなったのが、暦ちゃんの頭上に看板が落下するという事故です。
一歩間違えば怪我じゃ済まない深刻な事故だということは分かります が。
その看板に書いてある文言が「無茶な脅かし 予定外の退魔 手遅れになる前に」って……面白すぎるでしょう……深刻さどこ行った。
 
傷心の暦ちゃんは実家に帰省した際、幼い頃神社の境内で紫苑先生に出会っていたことを思い出します。
もちろん紫苑先生は暦ちゃんが当時の女の子だということに気付いていて、言っていなかったということです。
 
「幼い頃に会っていた」というのも王道の設定ですけど、これは奏ルートの「前世の飼い主」と違って、すんなり受け入れられました。
何でですかねー、キャラの好みの差ですかねー……
まあ、真面目に考えると、「昔攻略キャラと関係があった人物」が暦ちゃんなのかそうでないのかの差だと思われます。
会っていたことを忘れていたとはいえ、「幼い暦ちゃん」は現在の暦ちゃんと完全に地続きですからね。
 
ハッピーエンドに向けての流れは、攻略キャラやサブキャラの皆さんが紫苑先生補足に協力してくれて、紫苑先生(と暦ちゃん)がこの地で築いてきた信頼関係のようなものが見えてとても良かったです。
本当、幸せになって下さい、紫苑先生。
 
プレイ中に思った身も蓋もないこと。
紫苑先生の不幸力は人間にしか及びません。だからぬらりひょん校長は自分の不幸力に疲弊していた紫苑先生を逢魔県に誘ったという経緯があります。
つまり、単に不幸が降りかからないようにするだけなら、暦ちゃんが門番さん(吸血鬼)に頼んで人間やめれば良いんじゃないでしょうかね?

書いてみると本当に身も蓋もないですね……
まあ、暦ちゃんが人間やめた場合、紫苑先生が貧乏神の呪縛から解放されることは多分出来ないので、却下ですけどね。