kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

クランク・イン 感想1(神楽坂悠真)

はじめに

乙女ゲーム感想を書くとき、各作品の感想1にいつもそのゲームをプレイしようと思った動機を書いているんですが。
この「クランク・イン」については、ほぼ100%中の方目当てです。誰とは言いませんが。
プレイしていた某RPGで某個人的推しキャラの出番が一段落してしまったので、中の方が乙女ゲー攻略対象演じていらっしゃる作品を探した結果が「クランク・イン」でした。

そんな動機でプレイした結果はこれから書く感想の通りなのですが、誤解を恐れず申し上げますと、おすすめです。
少なくとも私とは非常に波長が合う(「笑いのツボが同じ」に近いニュアンス)作品でした。
合わない人には合わないでしょうけども、合う人には合うと思いますよ……!

ということで、攻略順は以下の通りです。
神楽坂悠真→村雲朔→逢坂聖→逢坂忍→周柊→徒野真澄→櫻井時雨
基本的には緑ヶ島中学と聖エドワード学園を交互に進めただけですが、後ろ4名がある意味ヘビー級なので、前半からの落差を楽しむにはおすすめの順番だと思う。

そんな感じで感想です。
声優さんの氏名は敬称略です。

ストーリー概要

主人公・橘文月はひょんなことから二つの中学校の映画研究部に、ヒロイン役の打診を受ける。
選んだ方の映研の仲間達とともに、主人公は努力したり悩んだり楽しんだりしつつ映画を完成させるが、果たして映画コンクールの結果は? そして主人公と仲間達の未来は……?
みたいな感じでした。

中学生編が共通ルート(学校別)で、青年編が個別ルートです。
個別ルートが非常に短い。(かといって共通ルートが長いわけでもない……)

個別キャラ感想

神楽坂悠真(cv:前野智昭

イメージ 1
緑ヶ島中学。
映画大好き全力少年。プロローグからエピローグまで全力疾走感が物凄い。
映研での役割は監督。才能は十分以上にある模様。

「クランク・イン」という作品を体現しているようなキャラ。
だと思っていたんですが、フルコンした後だと「クランク・イン」という作品が向いている方向が「あれ?」という感じになるので……どうなんだろうなあ……
いやまあ、公式サイトにあるストーリーなどから受けるイメージを体現しているのは間違いないと思います。

非常にいいキャラしてるんですが、特にハッピーエンド側のルートでは、そのキャラを貫きすぎたゆえに、あまり山も谷もないさらさらしたストーリーになってしまった感があります。

神楽坂君は老舗企業の創業家の生まれで、父親に映画監督になることを反対されている、という状況なのですが、中学生編時点ではその事実には言及されません。もちろん何か問題を抱えていることが示唆されはしますが、神楽坂君は「前だけ向いて突き進む!」みたいなキャラですので、自分の中だけで処理してしまい、文月ちゃんはもちろん、映研の仲間にも何も言わないんですよね。

で、青年編。映画を完成させた後、数年疎遠になっていた文月ちゃんと神楽坂君ですが、あるとき足を踏み入れた映画館で再会を果たします。そして神楽坂君は再び緑ヶ島中学映研のメンバーで、文月ちゃんをヒロインに映画を撮ることにします。

青年編では、家の問題も語られますし、神楽坂君の葛藤も描かれるのですが、立ち止まるのはわずかの間。文月ちゃんの後押しにより自分にとって大切なものを見極めた神楽坂君は、再び全力疾走でハッピーエンドへ。

と書くと、何かいい感じに展開したように見えますが、結構さらっとしてましたよ、この下りも。
うーん、キャラを貫きすぎたとは言っても、そのキャラが悪いわけではないと思うんです。私は変にひねくれてなくて強い、神楽坂君のキャラ大好きですし。

こう言うと身も蓋もないですが、多分、尺が短いんだと思う。
この神楽坂君の葛藤についても、1テーマ1エピソードみたいな感じで済まされてしまいましたけど、もうちょっとエピソード増やして、文月ちゃんだけではなくて、緑ヶ島中学映研メンバーみんなとの絡みの中で神楽坂君が再び立ち上がってくれた方が、ストーリーに立体感と説得力が出たと思うんですよね。
神楽坂君も映研のみんなもいいキャラなだけに、ちょっと残念です。

その点で言うと、アナザーエンド側のストーリーは、神楽坂君の全力疾走感に迷いが生じていて、その分ちょっと立体感が出てたんじゃないかなと思います。
そもそもアナザーは、監督を続けていること自体が父親との約束違反みたいな感じでしたしね。
ハッピーエンドほど「全てが円満解決!」という感じではありませんでしたが、これはこれで未来を感じさせる感じで良かったと思います。

恋愛面については、自分の気持ちに全く気付かない中学時代の神楽坂君も良かったですけど、青年編で作る映画で、文月ちゃんの相手役になった柊に嫉妬するところが良かったです。
良かったというか、ニヨニヨ半分、監督しっかりしろよ? 半分ぐらいですが。
柊を相手役にするって決めたの、神楽坂君自身なんですけどね。

一人終わってのところですが、主人公・文月ちゃんは、なんか特に個性が感じられなかったですね。
私は限定版を購入したので、付属小冊子にあった情報を大体頭に置いてプレイしていたのですが、それでも「うーん?」という感じでした。もうちょっと主人公ちゃんの自己紹介的なエピソードがあっても良かったような……?
プレイしている限りでは、おとなしい子、ぐらいのイメージでしょうか。あとは鏡というか水面というか、攻略対象の言動をそのまま素直に反射する子、みたいに感じました。
他キャラプレイすれば、また印象変わるのかな……今までプレイしてきた乙女ゲーの主人公って、すごーくキャラ濃かったんだなー……

中学生編のラストが映画コンクールで、それに負けないと回収できないエンドや入れないルートがあるわけですが、わざと負けるのはいい気分ではないですね……(負けず嫌い)
エドワード学園の面々がまたいい感じにイラッとさせてくれるので、余計負けたくなくなりますねー。
エド側のキャラに行くんですけどねー……

クリア後(かな?)のおまけにキャストコメントが聞けるのですが、前野さんはとても真面目というか、役に対して真摯に向き合われる方だなという印象を受けました。そして言わずもがないいお声。
神楽坂君は演じるのに非常に体力が要りそうなキャラですよね。お疲れ様でした。