kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

百花百狼~戦国忍法帖~ 感想1(石川五右衛門)

はじめに

やったことないメーカーさんの作品をやってみよう活動の一環でプレイしました。あと、ちょうどダウンロード版が割引になっていたので。

戦国時代物をプレイするのは、「百花百狼」が初めてでした。(厳密に言うと桃山時代ですが、サブタイトルが「戦国忍法帖」ですし)
個人的に、実在の人物が攻略キャラになるのに若干苦手意識があったので、あまり時代物に手を出してこなかったんですが(プレイしたの「剣が君」ぐらい)、実際プレイしてみると意外と平気でした。
まあ実在と言っても若干ファンタジー寄りな人達だったからでしょうか……(失礼)

というわけで、攻略順は以下の通りです。
石川五右衛門→黒雪→服部半蔵→百地蝶治郎→月下丸

正直失敗したと思っています。
蝶治郎兄様をもっと前に持ってくるべきだった。

そんな感じで感想です。
声優さんの氏名は敬称略です。

ストーリー概要

箱入りで育てられた甲賀の長の娘・上野槐は念願の初任務を命ぜられ、仲間とともに京の都へと向かう。
戸惑いながらも仲間と力を合わせて、任務を完了したと思ったのも束の間、槐は身に覚えのない罪を着せられ、追われる身となってしまう。
槐と仲間達の運命は? そして事件の真相は……?(ラブもあるよ!)

みたいな話(だったはず)
どシリアスです。念のため。

個別キャラ感想

石川五右衛門(cv:緑川光

イメージ 1
天下の大泥棒であり、槐の初任務のターゲット。
余裕ある遊び人で、世慣れているが、人を殺さない信念を持つ。
前職は忍。

正直、エンディングのスタッフロールの中に「阿智太郎」の文字を見付けて、全てが吹っ飛びました……
阿智太郎さんって、某「僕の血を吸わないで」の人ですよね?
まさか乙女ゲーやってて名前見ると思いませんでしたよ。どのあたりのシナリオ担当されたんでしょう? 凄く気になります……

じゃなくて、五右衛門さんの話を。
五右衛門さんは、槐に捕らえられた後、秀吉殺しの濡れ衣を着せられて投獄された槐を助けて脱獄。一緒に逃避行してくれます。
五右衛門さんの前職は忍、それも非常に優秀な忍だったため、人を殺さない信念というハンデを自ら背負いながらも、追っ手として繰り出される忍達を頼もしく撃退してくれるわけです。

何というか、五右衛門さんは感覚が非常に現代的なキャラクターだなと思いました。
人を殺さずの信念もそうですし、槐が「里のために……」的な発言をすると、「そんなものに縛られず、自分の思うとおりに生きるべき」みたいなご意見をいただけます。

自分を捕らえた人間を助け、しかも足手まといになる彼女とともに逃亡するとか、時代設定を考えると、言い方は悪いですが、甘ちゃんだなと。
共通ルートでちょっと仲良くなってはおりましたが、この時代感的に、そこまでしてあげるほどの関係を構築していたとは思えなかったんですよね。一歩間違えば自分が死ぬわけですから。
他のキャラクター達が結構きちんと時代感に合った行動をしてくれるので、特にそんな感じがしました。
箱入り忍で、真に忍として生きる覚悟が足りていない槐とはお似合いのような気もします。

まあ、五右衛門さんは、槐と違って、忍は所詮駒であること、この世の非常さなど、いくつも修羅場をくぐり抜けて理解した上でたどり着いた甘ちゃん信念ですし、その甘さを通しきるだけの実力と覚悟をお持ちなので、それはそれでとても格好良いと思います。
あと、「~だね」という若干伸ばし気味の、柔らかい語尾がなんか好き。(信念関係ない)

ストーリー的には、悪くないはずなんですが、どうも盛り上がりに欠けた印象です。
小説とかでもたまにある、キャラクターも道具立てもストーリーラインも悪くないんだけど、なんか淡々と終わってしまったな……というやつですね。段取り通りに出来ましたね、みたいな。

これは私がそう感じただけで、五右衛門さんが風魔忍軍の元長だったと判明し、合流した甲賀の仲間達が殺された!? からの伏見城で大逆転、大団円の流れは、本来なら、盛り上がるんだろうなあ、とは思います。
多分、シナリオライターさん? と感覚が合わないというか、ツボが違うんでしょう……残念ですが、こればっかりはしょうがないことです。

それはそれとして、五右衛門さんの正体は風魔小太郎でした、という設定には「そう来るか……」と思いました。
個別に有名な人2人を同一人物にするって、なかなかの荒技ですよね。ん? そうでもないんでしょうか?
個人的には、エンタメ時代劇ならそのぐらいやってくれてもいいと思いますし、斬新で良かったです。

で、その辺で五右衛門さんが薬物系の忍だということが知らされたので、甲賀の仲間達が……というシーンでも、「どうせ薬物で仮死状態なんだろう」と思ってしまい、余計盛り上がらなかったのかも知れぬ。
いや、ちゃんと伏線張ってくれたことに文句言う気はないですけども。

ハッピーエンドの伏見城攪乱作戦で、蝶治郎兄様が五右衛門さんの姿で現れた意味がよく分からなかったんですが、あれは集まっていた五大老石田三成に正体がばれるのを防ぐため、でいいんでしょうかね。
三成(甲賀のお得意様)は甲賀の皆さんが風魔の手にかかって死んだと思っているはずですけど、今後、甲賀の忍のお仕事に支障は出ないんでしょうか……?

バッドエンドは、風魔の長に伝わる術であり、五右衛門さん曰く「絶対に使いたくない術」の伏線が回収されて、これはこれで良かったです。

石川五右衛門なので、「絶景かな絶景かな」を期待していたんですが、ありませんでしたね。
まあ、「絶景かな」やっちゃうと、五右衛門さん釜ゆでにされちゃいますけどね。