kakinagu-l

主にプレイしたゲームの感想を備忘録的に書き殴ります。ネタバレに配慮ありません。

百花百狼~戦国忍法帖~ 感想2(黒雪)

個別キャラ感想

感想1からの続きです。

黒雪(cv:下野紘

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人殺しの道具として育てられた少年。とにかく気の毒。
 
人殺しのための道具として育てられ、道具として人を殺す。そこに本人の意志は介在しない。彼は人ではなく「道具」だから。
 
というのが物凄く好きでもう。(二次元に限る。)
こういう、「凶器」系キャラは、自分のしていることを理解していない系もいいですが、黒雪みたいな分かっていて苦しむ系も大好きです。
「オレは人でいたい」と槐にすがるシーンとか、最高ですね。
 
黒雪ルートは、無実の罪でとらわれの槐を脱獄させて一緒に逃げるのが黒雪になります。
五右衛門さんの後だと、若さや育ちの影響もあり、黒雪との逃亡劇は凄く危うい感じでした。
追っ手との攻防もそうですが、何より黒雪自身が凄く危うい……
 
黒雪ルートのストーリーは、五右衛門ルートと違って、ちゃんと盛り上がりが感じられて良かったです。
というか、何でしょう。このルートは台詞回しとかもいちいち好きでした。このルートのライターさんとはツボが合うんだろうな。
とか言って、五右衛門ルートとライターさん同じだったら笑うしかないですが。
 
五右衛門ルートの時から、黒雪は秀吉暗殺に関与してそうだなと思っておりました。まあ、実際に手を下さないまでも、協力者とかで。
そもそも初見では、秀吉の狂言だろうと思っていたんですが、どうも本当に死んだらしいので。
 
で、黒雪ルート(というか黒雪全振りの共通ルートですが)に入ったら、こりゃ実行犯で決まりだろ、という感じでしたね。
でも、分かっているからといってストーリーが盛り上がらないとは限らないのですよね。
ただ、暗殺の依頼主(っていうか)が槐父だったのは意外でした。
そういえば、五右衛門ルートで風魔の残党の人達が「(忍の活躍の場を確保するために)乱世に戻ればいいのに」って言ってましたね。忍として生きていきたい人達にとっては、秀吉を暗殺する動機があるってことですね。
 
黒雪は8歳の頃に加賀に貸し出され、そこで特殊な幻術を身に付けたということです。
五右衛門さんの薬物もそうですけど、黒雪の瞳術(幻術)も、何でもありになってしまう、便利だけど危険な道具だよな(シナリオ的に)……と思いました。
その時点まで主人公やプレイヤーに提示されていた物事が、「それは薬物(幻術)により見せられた幻覚で、本当は○○だったんだ!」と、まるっきりひっくり返されることもあり得ますからね。
それでも、いかにも無理がある謎解きで解決したことにされたり、全く理由付けが示されないよりは、理由付けが示される方がいいよねと思います。
 
五右衛門さんといえば、このルートの五右衛門さんは、本人ルートより大人な感じで格好良かったです。
 
黒雪がちょっとアレなほど槐に執着していた理由が、ちゃんと納得できるもので良かったです。
黒雪が、槐を自分だけのものにしておくためについていた嘘が終盤でばれ、いったん二人は離れることになるのですが、黒雪の病みっぷりがアレすぎて「これ、どうにかなるの……?」と思ってしまった。
が、黒雪が「自分の行動が槐を苦しめている」ことに自力で気付いてくれたので、どうにかなりましたね。
黒雪は本質的に、本当にいい子だと思います。
それだけに、8歳からの8年間が不憫でならない……
 
黒雪は暗殺マシーンではありますが、それは他者に「そうされてしまった」のであって、自分から望んでそうなったわけでも、手を汚しているわけでもないんですよね。
そうならないと、死ぬのは自分だったわけで。
それでも黒雪は、そんな自分を全肯定せず、苦悩している……可哀想すぎて大好きです。(ゲスプレイヤー)
 
このルートでは、槐があまり甘いことを抜かさなかったので良かったです。(五右衛門ルート比)
黒雪との共依存のような関係から、ちゃんと自分で立ち直って前を向いていたのが好印象でした。